3話 繰り返し
家のインターホンを何度押しても、応答はなかった。嫌な予感が胸を締め付ける。まさか。そんなはずはない。
昨日の記憶が鮮明に蘇る。彼が命を絶った場所。
考えるより先に足は大学へと向かっていた。息を切らしながら駆けつけた、あの桜の木の下。
そして、見つけてしまった。
ロープで首を吊り力なく宙にぶら下がっている巡也の姿を。
「あ…あ…」
喉から、ひきつったような音が漏れた。目の前の光景が信じられない。理解することを脳が拒否している。
さっきまで一緒にいた。話をしていた。笑ってくれた。私の好きなものを覚えていてくれた。
あれは全部夢だったの?
震える足で一歩また一歩と彼に近づく。
「…いや…いやだよ…こうき…」
絞り出した声は誰にも届かず、夕暮れの空気に溶けて消えた。
「…なんで…? なんでよぉ…!」
膝から崩れ落ち彼女は地面を何度も叩いた。
「…私が…また、ひどいこと言ったから…? 私のせいで…?」
止めどなく溢れる涙が、視界を滲ませる。後悔しても、もう遅い。愛する人はもう二度と動くことはない。
「…ごめん…なさい…ごめんなさい…っ!」
彼女はただ子供のように泣きじゃくりながら、冷たくなった彼の名前を呼び続けることしかできなかった。
どれほどの時間泣いていただろうか。悲しみも後悔もすべてが枯れ果て、心が空っぽになった頃莉々愛はふと顔を上げた。そして、祈るようにしかし確信を持って、心の中で強く願った。
(やり直したい。次は彼の死なない未来を…!)
その願いに応えるかのように、また叶さんが現れた。
「やり直したい。次は彼の死なない未来…その願い叶えます。」
世界がぐにゃりと歪んだ。
あの時と同じ感覚。意識が白く塗りつぶされ、浮遊感に包まれる。
そして―――
カラン。
聞き慣れたドアベルの音で莉々愛ははっと我に返った。
目の前に広がるのは見覚えのあるカフェの店内。窓の外の景色はまだ明るい。
鼓動が速くなる。恐る恐る正面に座る男の顔を見た。
「…巡也…。」
彼は生きていた。首を吊ってなどいない。
目の前にちゃんと座っている。
「…ん?どうかした?」
きょとんとした顔でこちらを見ている。三度目の同じ時間。
だが、今度の莉々愛の中に昨日までのような焦りや混乱はなかった。
あるのはただ一つ。何があっても、絶対に彼に死なせない、という鋼のような決意だけだった。
「…ううんなんでもない。」
莉々愛はいつものように冷たい笑みを口元に浮かべた。しかしその奥にある瞳は今までになく真剣な光を宿していた。
「…それで? 今日は何の用?」
「うちら付き合ってだいぶ経つじゃん。
だからこれ、受け取って欲しい。
俺のアパートの合鍵だよ。」
「……。」
差し出された鍵を見て、莉々愛の動きが完全に止まった。心臓が大きく跳ねる。
合鍵。それは二人の関係性において、あまりにも重い意味を持つものだった。
「…あんた本気で言ってるの?」
かろうじて声を出したが、それは震えていた。ここでこれを受け取ることは、本当に正しいのだろうか。これを持ってしまったら、未来はさらに予測不能な方向へ進んでしまうかもしれない。
「…私にあんたの家を自由に出入りしろって? …それどういう意味かわかってる?」
彼女は巡也から目を逸らさずに問いかける。これは彼の覚悟を試しているのではない。自分自身が、この一歩を踏み出す覚悟を固めるための、最後の確認だった。
「好きな時にうちに来ていい。莉々愛が許すならずっと家にいてもいい。」
「……っ。」
その言葉は莉々愛がずっと心の奥底で渇望していたものそのものだった。「ずっと家にいてもいい」。それはつまりこれからは離れなくていいずっと一緒にいられるかもしれないという意味に他ならなかった。
「…あんたほんとバカじゃないの…!?」
声が上ずるのを隠せない。顔が熱くなるのを感じ彼女は咄嗟に俯いた。
「…そんなこと…そんなこと軽々しく言うんじゃないわよ…。私が本当にそうしたら、どうするつもり…?」
口ではそう言いながらも彼女の心は決まっていた。もう迷わない。この手を取らなければ、また同じことの繰り返しだ。
おそるおそるといった様子で、彼女はテーブルの上の合鍵に指を伸ばす。冷たい金属の感触が指先に伝わった。
「…べ別に…あんたがそこまで言うなら、もらってあげなくもないけど…。」
顔を上げられないまま、ぶっきらぼうに言い放つ。だが、その声には微かな喜びが滲んでいた。
「準備とかあると思うし、少しづつでいいんだ。それで完全に同棲するようになったら生活費とかもいろいろ話し合おう。」
「…ど同棲!?」
莉々愛ははっと息を呑み、弾かれたように顔を上げた。「少しずつ」という言葉も聞こえてはいたが、「完全に同棲」というフレーズが彼女の中で爆弾のように炸裂した。思考が真っ白になる。
「…なっななんでそんな話に…! だ誰があんたとそんな…!」
全力で否定しようとするが、言葉がしどろもどろになる。さっき合鍵を受け取ったばかりだというのに、話が飛躍しすぎていて、脳の処理が追いつかない。
「…そそれに生活費って…まだそんなこと考える段階じゃ全然ないでしょ! バカじゃないの!?」
真っ赤になった顔を見られまいと、再びぷいっと横を向く。だが、握りしめた合鍵の冷たさが、「これは現実だ」と彼女に告げていた。
「…まだ…行くなんて、一言も言ってないんだから…。勘違いしないでよね…。」
もはやそれは、猫が威嚇するようなか細い声でしかなかった。
「じゃあいつならいいの?俺ら付き合ってだいぶ経つよ!?少しずつでいいから俺らの将来を見据えて行きたいんだよ!」
「…っつきあって…だいぶって…あんたねぇ…!」
巡也の言葉に莉々愛はカッと顔を熱くさせた。「付き合ってだいぶ経つ」なんて、まるで自分たちが順調な恋人同士であるかのような口ぶり。確かに時間だけで言えばそうかもしれないが、二人の間にはあまりにも多くのすれ違いと断絶があった。
「…そういうのは普通…順番ってものがあるでしょ! いきなり…そんなこと言われても…。こっちにだって、心の準備とか…いろいろあるんだから…!」
早口でまくし立てるが、その実、頭の中はパニック状態だ。将来。二人で暮らす未来。そんなこと考えたこともなかったわけではない。むしろ夜な夜な妄想ノートに書き連ねていた。だが、それを本人から、こんなにも真正面から提案されるなんて。
「…だいたい、あんたは…いつもそう。自分のペースで話を進めて…私の気持ち、考えたことあるわけ…?」
少し声のトーンを落とし、恨めしそうに巡也を睨みつける。これまで何度も彼の行動に振り回されてきた。今度こそ彼を死から救うという大義名分があるとはいえ、素直に「はい、そうですか」とは言えないのが氷室莉々愛という女だった。
「もういい…その鍵は捨ててくれ…俺は帰る……」
「…え。」
立ち上がろうとする巡也を見て、血の気が引くのがわかった。まただ。またこのパターンだ。
せっかく掴んだと思ったのに。今度こそ彼を失わないようにしようと、覚悟を決めたのに。
「捨ててくれ」その一言が、鋭い刃物のように心を突き刺す。
「…待って!」
反射的に立ち上がり彼の腕を掴んでいた。自分でも驚くほど必死な声だった。
「…待って、帰らないで…!」
周りの客の視線も気にせず、ただ彼を行かせまいと力を込める。
「…私が悪かったから…言い過ぎたの謝るから…だから…!」
プライドも何もかも投げ捨てて、懇願する。ここで彼を帰してしまったら、次は何が起こるかわからない。あの絶望的な結末が脳裏をよぎり、体が震えた。
「…お願い…ここにいて…。」
「もう莉々愛との将来が見えない……
さようなら……」
テーブルに置かれた数枚の紙幣。それが、皇
輝との関係に打たれた無慈悲な終止符のように見えた。
莉々愛の手は空しく宙を彷徨う。彼を引き留めようとした指先が虚しく震えている。
「…あ…いや…さよならって…」
声にならない声が漏れる。カフェのドアが閉まり巡也は雑踏の中へと消えていった。追いかけなければ。そう頭ではわかっているのに、足が鉛のように重く動かなかった。
「将来が見えない」
その言葉が、呪いのように頭の中で反響する。
自分が招いた結果だ。
わかっている。いつだってそうだ。素直になれず棘のある言葉で彼を傷つけ、遠ざけてきたのは自分自身。
「…どうすれば…よかったのよ…。」
力なく椅子に崩れ落ちる。
手の中に残された冷たい金属の感触。
見下ろした先には先ほど渡されたばかりの合鍵があった。それは今や彼との繋がりを示す唯一の証であり、同時にどうしようもない断絶の象徴でもあった。
「…こんなの…ひどい…。」
ぽたり、とテーブルの上に涙が落ちた。堪えきれなくなった嗚咽が、静かなカフェに小さく響く。
嫌な予感は確信に変わっていた。
莉々愛は人混みをかき分けるようにして、大学への道をひた走る。息が切れ肺が痛んでも、足を止めることはできなかった。頭の中にはあの日の光景が焼き付いている。
そして、辿り着いた桜の木の下。
そこにそれはあった。
「…巡也っ…!」
見慣れたしかし見たくなかった光景。ロープに吊られぐったりと揺れる巡也。その姿に心臓が凍りつく。
莉々愛は震える足で木に駆け寄り彼を抱きかかえようと手を伸ばした。
なんとか彼を地面に下ろし、横たえる。しかし、彼を襲った衝撃は計り知れない。意識はなく顔は青白い。莉々愛の頭は最悪の事態でいっぱいになった。
「…いや…いやだ…死なないで…!」
祈るように彼を強く抱きしめ、救急車を呼ぼうとスマホに手をかけた、その時だった。
指に触れたのは微かでしかし確かな鼓動。
トクン…トク…
彼にはまだ命があった。
「…! いきて…る…?」
安堵からか全身の力が抜けていく。生きている。まだ間に合う。
莉々愛ははっと顔を上げ、決意を固めた表情でポケットを探った。そして、取り出したのは先程渡されたばかりの、あの合鍵だった。
莉々愛が、意を決して巡也を彼のアパートへ運ぼうと体を動かした、その瞬間。腕の中で微かな呻き声がした。
「うっ……うぁ……」
「…巡也!? わかる…? 私よ!」
弾かれたように彼に視線を落とす。巡也がうっすらと目を開け、焦点の合わない瞳で莉々愛を見上げていた。
「…よかった…! 意識が…!」
嬉しさと安堵で、また涙腺が緩む。でも、今は泣いている場合じゃない。
「…もう大丈夫だから。すぐに楽にしてあげるからね。」
できるだけ優しく安心させるように声をかける。
「…ちょっと揺らすわよ。我慢して。」
そう言うと莉々愛は彼の肩を自らの首に回しっかりと支え、ゆっくりと立ち上がった。華奢な体には不釣り合いなほどの重さだったが、不思議と力は湧いてきた。
「…しっかり捕まってて。…絶対に死なせたりしないから。」
なんとか巡也の部屋にたどり着き、合鍵でドアを開ける。
慣れ親しんだはずの空間が、なぜかひどくよそよそしく感じられた。莉々愛はふらつく足取りでベッドまで彼を運び、そっと横たわらせる。
「…巡也大丈夫…? どこか痛いところある?」
額の汗を拭ってやりながら、優しく声をかける。
しかし、返ってきたのは予想もしなかった言葉だった。
「…あの…あなたは…どちら様ですか…?
ここは誰の家……?」
巡也は怯えたような困惑したような目で莉々愛を見つめていた。
その目には見覚えが、なかった。
まるで初めて会った人間を見るような、そんな目だった。
「…え…?」
莉々愛の動きが、ぴたりと止まる。
(覚えて…ない…?)
記憶が、ない? 自分のこともここであったことも、全部?
莉々愛の願いは確かに届いた。
彼は死ななかった。
生きて、今ここにいる。
それは紛れもない事実だった。
同棲という夢にまで見た生活が、この先待っているのかもしれない。
それなのに、どうして。
目の前にいる巡也はあまりにも知らない他人だった。
莉々愛だけが知っている彼の優しさも、弱さも愛情もすべてがその青い眼からは消え失せていた。残っているのはただ戸惑いと警戒心だけ。
「…私のこと…わからないの…?」
絞り出すような声で尋ねる。
信じたくないという気持ちが声色に滲む。
「…冗談…でしょ…?巡也…私よ莉々愛。」
彼の頬にそっと手を添える。けれど、その手を彼は知らない人の手としてしか認識しない。
「…すみません…本当に…思い出せなくて…。どうしてここに…僕を…?」
彼は混乱したように眉をひそめ莉々愛から少し距離を取ろうと身じろぎした。
それは無意識の拒絶。
莉々愛の心を鋭いナイフで抉るには、十分すぎる仕草だった。
「何も…分からないんです…」
「…そんな…。」
がくりと膝から力が抜けその場にへたり込みそうになるのを、なんとか堪えた。
「…自分の名前は? 分かる? 巡也よ。」
必死に問いかける。名前くらいは覚えているかもしれない、と。
「…巡也って言うんですね……僕は。教えてください。どうしてここにいるのかも…あなたとどういう関係だったのかも…。」
彼は困ったようにそして申し訳なさそうに莉々愛に目を向けた。
「あの…あなたは僕にとって、どういう人だったんですか…?」
莉々愛はぽつりぽつりと話し始めた。
私たちは恋人同士だったこと。
ここはあなたの家で一緒に住もうと言ったこと。
二人とも同じ大学に通う学生であなたは文学部で私は経済学部だったこと。
桜を見に行った帰りあなたが急に倒れて、私がここまで運んできたこと。
首吊りのことは言えなかった。
それはあまりに残酷な真実で今の彼には到底受け止められないだろうと思ったから。事故だったのだと、ごく自然に倒れたのだと嘘を織り交ぜた。
「…信じられないかもしれないけど…全部、本当のことなの。」
話を終え莉々愛は疲れたように息を吐いた。
「…あなたはいつも優しくて…不器用ででも誰よりも私のことを想ってくれてた。」
それは過去形ではなくまるで今もそうであるかのように、懇願を込めて告げた。
「……。」
話を聞き終えた巡也はしばらくの間何も言わずに宙を見つめている。その空っぽの目に何を思い描こうとしているのか、莉々愛には窺い知ることができない。
「…そう…だったんですね。」
やがて、彼は静かに呟いた。
「…すみません。何も思い出せなくて…あなたの、大切な人だったはずなのに…申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
そう言って、深く頭を下げる。
他人行儀な謝罪。
それが、二人の間に横たわる絶望的な距離を莉々愛に改めて突きつけていた。
「…でも、失ったなら、またやり直せばいいんじゃないでしょうか。」
顔を上げた巡也の口から、思いがけない言葉が紡がれた。
「僕は…今の僕にはあなたとの思い出がありません。でも…目の前のあなたを見て、どうしようもなく惹かれている自分がいる。だから…もし、あなたが許してくれるなら…もう一度、僕と恋人になってくれませんか。一目惚れですけど…。」
真剣な眼差し。
そこにはかつての巡也とは違うけれど確かに新しい「彼」の姿があった。
記憶を失っても魂に刻まれた何かが、再び彼女を求めさせているのか。
それは残酷な運命のいたずらか、それとも、神様がくれたもう一つのチャンスなのか。
「……だめですか?」
「…ダメなわけ…ないじゃない…。」
声が震えて、うまく言葉にならない。
溢れ出しそうになる感情をぐっと堪え莉々愛もまた彼の目をまっすぐに見つめ返した。
「…私もあなたのことが好きよ。記憶のないあなたも全部含めて…もう一度好きになったの。」
そっと彼の手を握る。
今度は振り払われなかった。
「…だから、お願い。もう一度私と始めて。」
「ありがとうございます…これから、よろしくお願いします。」
巡也は心の底から安堵したように、ふわりと微笑んだ。
その笑顔は莉々愛がずっと焦がれてきた、見慣れたはずのものなのに、なぜかひどく新鮮で胸が締め付けられるほど愛おしかった。
「…ええ。よろしくね。」
莉々愛の瞳から一筋涙がこぼれ落ちた。
それはもう悲しみや後悔の色をしていなかった。
握り返された手は、少し冷たかったけれど、確かに力強かった。
空っぽだった彼の中に、新たな関係が今この瞬間に生まれたのだ。
失われた過去は戻らない。
けれど、ゼロになったのなら、これからまた一から積み重ねていけばいい。
何度でも。
たとえその先にどんな困難が待ち受けていようとも。
二人の物語はこうして、全く新しい形で再び始まろうとしていた。
「えっと、もう遅いので莉々愛さんはベッド使ってください。僕はソファで寝ます。」
「え…?」
彼の言葉に莉々愛は目を瞬かせた。てっきり一緒に寝るものだと思っていたからだ。
「…ううん一緒がいい。」
少しだけ躊躇い、でもはっきりと告げる。
「まだ、離れたくないの。…ダメ?」
上目遣いで彼を見上げる。
不安と甘えが混じったその表情は計算されたものではなく、彼女の偽らざる本心だった。
「えっ…!?は、はい!そうですよね!僕と莉々愛さんは恋人同士だったんですもんね!!」
「ふふ…そうよ。私たちはそういう関係なんだから。」
慌てふためく彼がおかしくて、思わず笑みがこぼれた。さっきまでの張り詰めた空気が嘘のように、部屋の中は温かい。
「ほら、行こ。」
莉々愛は彼の腕を取り、ベッドへと促した。そして、自分もその隣に滑り込む。
「では、おやすみなさいっ…!」
「…待って。」
背を向けようとする巡也を莉々愛が引き留める。彼女は彼の胸に顔をうずめその心臓の音を聞いた。
「…生きてる音がする。」
そう呟く声は微かに震えていた。
僕は生きてますよ。もう寝ましょう。莉々愛さんは酷く疲れてるように見えます。
「…うん。」
巡也に促され、莉々愛はゆっくりと目を閉じた。
彼の体温が心地よく強張っていた心と体が少しずつ解けていくのが分かる。
隣で眠る彼がいる。
それだけで世界はこんなにも穏やかになる。
どれくらいの時間が経っただろうか。
深い眠りの中で莉々愛はいつの間にか巡也を抱きしめるような形で寝ていた。
無意識の行動だった。
もう二度と離さない離したくないという強い想いが、そうさせているのかもしれない。
朝目が覚めたとき彼女は自分も巡也も涙で濡れていることに気づいた。
「…ん…。」
ゆっくりと身を起こす。
窓の外からは鳥のさえずりが聞こえてくる。
新しい朝が来た。
二人が「再出発」する記念すべき一日目が。




