第295話 第一の試練・不死鳥撃破
試練の塔、第一の試練、ボス部屋。
巨大な翼が大きく広がる。「キィィィィィッ!!」
真紅の炎をまとった不死鳥、フェニックスが翼を一振りしただけで灼熱の炎を渦のように放ってくる。
「来るぞ!」
カイルの声と同時に、家族全員が一斉に空へ飛び上がった。
無数の火球が、雨のように降り注ぐ。
ドォォン!!
浮遊する岩が次々と砕け散っていく。
「防御結界!」母が叫ぶと、黄金色の結界が家族全員を包み込んだ。火球が次々とそこに弾かれていく。
「風よ!」キキが放った巨大な風刃がフェニックスへ向かう。しかし、フェニックスは優雅に旋回してそれをかわしてしまう。
「速すぎるわ……!」ナルサが唸る。
フェニックスが急降下し、一直線にカイルへ突っ込んでくる。「速い!」
カイルはパワードスーツ改の推進装置を全開にし、ギリギリで回避した。その直後、フェニックスの爪が浮遊岩を真っ二つに切り裂く。
「一撃でも食らったら、それで終わりだな……」
父のディスプレイに【任せろ】の文字が浮かぶ。剣を構え、真正面から迎え撃つ。
空中で激突。ガキィィン!!
火花が散る。フェニックスは大きくのけ反りながらも、再び炎をまとって舞い上がる。父もその反動で後退した。
ディスプレイには【硬い】の文字。
「えーい!」リーナが光魔法を放つ。
ヒカリが氷魔法で進路を塞ぐが、フェニックスはその氷を炎で溶かしながら突き進んでくる。
「光の鎖!」リヒトが叫ぶと、巨大な光の鎖が現れ、フェニックスの翼を一瞬だけ拘束した。「今です!」
「ミーナ!」カイルが叫ぶ。
「解析完了」ミーナが即座に応じる。「胸部中央に高密度魔力反応。そこが魔力核です」
「弱点発見!」
だが、フェニックスは鎖を力任せに引きちぎり、再び空高く舞い上がる。その瞬間、全身の炎が一段と激しく燃え上がった。
「高エネルギー反応!」ミーナが緊張した声で告げる。「大技が来ます!」
「キィィィィィィィッ!!」
フェニックスの鳴き声とともに、巨大な炎の竜巻が部屋全体を飲み込んでいく。
「結界を強化!」母が叫ぶ。
「風で勢いを逸らすわ!」キキが動く。
「援護する!」ナルサも続く。
父のディスプレイには【耐えろ】の文字。
炎と風、魔法と魔法がぶつかり合い、轟音が塔全体を揺らした。
炎が晴れる。カイルは、なぜか笑っていた。
「最高だ! これだからダンジョンは面白いんだよな!」
「戦闘中に笑わないの!」キキが叱る。
「ミーナ!」
「射線確保」ミーナが冷静に告げる。「三秒後。二、一」
カイルはパワードスーツ改を最大出力にし、一気に加速。フェニックスの懐へ飛び込んだ。「これで終わりだ!」
魔力を込めた剣が、真っ直ぐに胸の魔力核を貫く。
ガァァァァァ!!
フェニックスは苦しそうに羽ばたきながらも、なお炎を燃やし続けていた。
「やっぱり不死鳥ってやつは」カイルが呟く。「しぶといな!」
父のディスプレイに【追撃】の文字。
父が横から斬りつけ、母の魔法がフェニックスの動きを鈍らせる。キキとナルサが同時に魔法を放ち、リヒトが古代魔法で翼を封じ、最後にリーナとヒカリが力を振り絞って魔法を放つ。
「いけーーっ!!」
七人の攻撃が、一点へと集中する、轟音、眩い光。
そして、フェニックスは静かに鳴いた。
「キィ……」
炎が消えていく。真紅の羽は光の粒となって舞い上がり、ゆっくりと空の彼方へ消えていった。
静寂が訪れる。
「勝った……?」リーナが呟く。
「ボスの魔力反応、消失を確認」ミーナが告げる。「第一の試練、攻略を確認しました」
父のディスプレイには【勝利】の文字。
カイルは剣を肩に担ぎ、満足げに笑った。「やっぱり、家族で戦うと強いな」
家族全員が、自然と笑顔で頷き合った。
こうして、天空都市最初の試練、伝説の不死鳥フェニックスは、カイル達家族の連携によって、見事に討ち倒されたのだった。




