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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第294話 第一の試練・不死鳥


 重厚な扉が、ゴゴゴゴ……と低い音を立てながらゆっくりと開いていく。


 カイル達は警戒を緩めないまま、そのボス部屋へと足を踏み入れた。


 そこは、巨大な円形の空間だった。床というものはほとんど存在せず、代わりに無数の浮遊岩が空中に浮かんでいる。まさに、空中戦のために作られた戦場そのものだった。


「高濃度魔力を確認」ミーナが緊張した声で告げる。「ボス反応、接近中」


 次の瞬間、キィィィィィン! と甲高い鳴き声が空間全体に響き渡る。


 真紅の炎が渦を巻いたかと思うと、その中から巨大な鳥が姿を現した。全身を覆う燃えるような紅い羽、翼を羽ばたかせるたびに炎の羽が舞い散り、黄金に輝く瞳、そして炎そのもののように揺らめく長い尾羽。


「きれい……」リーナが思わず呟く。


「大きい」ヒカリも目を丸くする。


「こんな魔物、見たことないわ」キキが息を呑む。


「これ、伝説級じゃないの……」ナルサが警戒を強める。


「ものすごい魔力ね」母が緊張した声で言う。


 父のディスプレイには【強敵】の文字。

 

 カイルは炎の鳥を見上げ、なぜか思わず笑ってしまった。

「なるほどな、あれはフェニックスだ」


「フェニックス?」リーナが首をかしげる。


「俺の昔の記憶にある話だと、炎をまとった不死鳥として語られていた伝説の鳥だよ」


「不死鳥……」ヒカリが小さく繰り返す。


「初めて聞く名前ね」キキが呟く。


「でも、なんだかぴったりな名前だわ」ナルサも頷く。


「本当に、神々しい姿ね」母がしみじみと言う。


 父のディスプレイには【初見】の文字が浮かんだ。


 そのとき、フェニックスが大きく翼を広げた。


ゴォォォォッ!!


 部屋全体が一気に熱気に包まれる。炎の羽が無数の火球となって、容赦なく降り注いできた。


「攻撃来ます!」ミーナが叫ぶ。

 

「散開!」カイルの声が響く。


 全員が一斉に空へ飛び立つ。カイルとミーナはパワードスーツ改、他の者たちは簡易式の翼を広げ、それぞれが宙へと舞い上がった。


 火球は浮遊岩を次々と砕いていく。


ドォン!ドォン!


 爆炎が視界いっぱいに広がった。


「さすがボスだけあるな!」カイルが興奮気味に叫ぶ。「面白くなってきた!」


「戦闘データ収集を開始します」ミーナが冷静に告げる。


 父のディスプレイには【突撃】の文字。


「無茶はしないでね!」母が心配そうに声をかける。


「左右から回り込むわ!」キキが動き出す。


「援護するわよ!」ナルサも続く。


「魔法陣、展開します!」リヒトが声を上げる。


「負けない!」リーナが小さな拳を握る。


「みんなで、勝つ」ヒカリも静かに頷いた。


 フェニックスは空高く舞い上がり、再び鋭い鳴き声を響かせる。その姿は、まさに天空に君臨する王者そのものだった。


 カイルはパワードスーツ改の推進装置を全開にする。

「よし!!第一の試練、ボス戦開始だ!」


 空を舞う不死鳥と、地上からやって来た挑戦者たち。天空を舞台にした激闘の幕が、今まさに切って落とされた。




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