↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

291/323

第283話 天空都市の住人


 飛行船は、浮遊するピラミッドを追い続けた。


 そして、雲海を抜けた先に全員が息を呑んだ。そこには、巨大な浮遊大陸が広がっていた。白い建物が立ち並び、無数の塔が空へと伸びている。島全体がほのかに輝き、まるで神話の世界そのものだった。


「きれい……」リーナが呟く。


「すごい」ヒカリも声を漏らす。


「こんな場所が、本当に……」母が言葉を失う。


「伝説じゃなかったのね」キキが静かに言った。


「信じられない……」ナルサはただ景色に見入っていた。


 その時だった。


「高速飛行体接近」ミーナの声とともに、警報が鳴り響く。

 

 ブォォォォォ!!空の彼方から白い影が十、二十、三十と一気に飛来してくる。


 近付くにつれ、その姿がはっきりと見えてきた。人に似た姿。背中には純白の翼。身にまとうのは白銀の鎧。手には槍や剣を携えている。


「羽がある!」リーナが目を丸くする。


「鳥じゃない」ヒカリも身を乗り出した。


 先頭の一人が槍を構え、意味の分からない言葉で何かを叫んだ。次の瞬間、光の矢が放たれる。


 ドン!!飛行船の結界に命中し、船体が大きく揺れた。


「攻撃された!」ナルサが叫ぶ。


「敵よ!」キキも身構える。


 カイルは即座に命令を飛ばした。

「巨兵ゴーレム射出準備!」


「了解」ミーナが応じ、格納庫が開いていく。


 カイルが前へ出ようとした、その時、袖を引かれた。リーナだった。

「お兄ちゃん」


「リーナ?」


 リーナは首を横に振る。


「駄目。いきなり戦っちゃ駄目。お話ししてみよう?」


 カイルは少し考え、握っていた拳をゆっくりと下ろした。


「……そうだな。まだ敵と決まったわけじゃない」


「珍しく冷静ね」キキが目を丸くする。


「リーナちゃんのおかげね」ナルサも小さく笑った。


 その時、リヒトが一歩前へ出た。深呼吸をひとつ。そして、古代語で大きく叫んだ。


 誰も聞いたことのない言葉。美しく、澄んだ響きが天空へと広がっていく。


 翼を持つ者達が、一斉に動きを止めた。驚いた表情で互いに顔を見合わせる。先頭の人物は目を見開き、何かを確かめるようにリヒトへと視線を向けた。


 数秒後、先頭の人物がゆっくりと槍を下ろす。続いて、他の者達も武器を収めていった。攻撃は止まり、飛行船に静寂が戻る。


「止まった……」母がほっと息をつく。


「リヒトちゃんのおかげね」キキが微笑んだ。


「助かったぁ……」ナルサも肩の力を抜いた。


 カイルは翼を持つ者達をじっと見つめ、ひとりで頷いていた。

「なるほど。翼があって、天空の都市に住んでる」


 少し考えて、勝手に結論を出す。


「よし。今日から天使族だ」


「また勝手に名前を付けた」ヒカリが呆れる。


「でも分かりやすい!」リーナは素直に納得していた。


「仮称『天使族』で記録します」ミーナが淡々と告げる。


「本人達に確認しなさいよ!」ナルサが思わず突っ込んだ。


 すると、翼を持つ者達の代表が、ゆっくりと飛行船へ近付いてきた。その表情から、もう敵意は消えていた。


「どうやら……」リヒトが小さく息をつく。「話し合いができそうです」


 こうしてカイル達は、初めて天空都市の住人との接触に成功するのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。