第242話 高速護衛ゴーレム
機械都市。
赤い光が無数に灯る。眠っていた機械兵たちが次々と起動していく。
ギギギ……ガコン。ブゥゥン……
「多すぎる!!」ナルサが青ざめた。
「これは面倒ね!」キキも剣を抜く。
「敵数、百以上。継続戦闘を推奨しません」ミーナが即座に分析した。
「その通りだよ」カイルも頷く。しかし敵は待ってくれない。機械兵の群れが迫る。
戦闘開始。
リーナが火球を連射する。ドゴォ!ドゴォ!ヒカリが氷槍を展開する。ガガガッ!ミーナが高速で接近し敵を次々と撃破。父は大剣でまとめて粉砕。キキとナルサも連携する。
勝てる。確実に勝てる。しかし問題があった。終わらない。敵が多すぎる。
一時間後、二時間後、三時間後。
「はぁ……はぁ……」ナルサの息が乱れる。
「キリがないわね……」キキも額の汗を拭った。
リーナも少し疲れ、ヒカリも魔力消費が増えてきた。ミーナは平然としているが、人間側が持たない。
カイルは敵を撃破しながら考える。そして小さく笑った。「なら試すか」
全員が振り向く。カイルがゴーレム馬車から新型のゴーレムを展開する。
「未登録機体」ミーナが認識した。
「まだあるの!?」ナルサが驚く。
「試作品だ」
光。そして現れたのは細身の機体。銀色装甲、人型。しかし従来のゴーレムとは違う。軽量、機動特化。
「新型護衛ゴーレム。機動重視型だ」カイルが宣言する。
次の瞬間。
ドン!!
消えた。
「え?」ナルサ。
「速っ!?」キキ。
機体は敵集団の中へ飛び込んでいた。残像。そして。
ズババババッ!!
敵の脚部、関節、コア。弱点だけを正確に破壊していく。機械兵が次々と崩れ落ちた。
「高機動戦闘確認」ミーナも少し驚く。
「速度、父以上です」ヒカリが分析した。
父のディスプレイ【否定できない】。
「はやーい!」リーナが叫ぶ。
敵が囲もうとするが、すでに別の場所だ。高速移動、高速撃破。完全な遊撃型だった。
「護衛っていうより素早い剣士じゃない?」ナルサが感心する。
「だいたい合ってる」カイル。
「相変わらず発想がおかしいわね」キキが笑う。
しかし、効果は絶大だった。敵の数が減り、戦線が安定し、人間側の消耗も減っていく。
「良好。予想以上だな」カイルは満足そうにデータを確認した。
「実戦データ蓄積中」ミーナも頷く。
機械都市の中心へ向かう一行。しかし都市のさらに奥、巨大な塔の頂上では一つの赤い瞳が静かに彼らを見つめていた。
まるで侵入者を観察するように。




