第237話 発見と休憩
上階層・機械区画。
頭なし父がズンズンと進む。父のディスプレイ【反応接近】。
「お兄ちゃんー!?」リーナが顔を上げる。
「カイルの位置は近いです」ヒカリも即反応した。
キキとナルサも緊張し、ミーナが周囲を警戒する。「索敵継続」
その時、通路の奥に誰かが倒れていた。
「お兄ちゃん!!」
全員が駆け出す。そこには壁にもたれかかるように倒れているカイル。片手には父の骸骨頭。しかも、頭の顎がまだカタカタ動いていた。
「カイル!?」ナルサが叫ぶ。
「ちょっと、大丈夫!?」キキが慌ててしゃがみ込む。
「カイル!!」母も青ざめた。
「生命反応正常。重傷なし」ミーナが即座に診断する。
しかし、カイルは動かない。「お兄ちゃん……!」リーナが涙目になる。
「応答要求」ヒカリも珍しく焦った。
その瞬間。スゥ……。
カイルの寝息。
全員。「……え?」
完全に寝ていた。
「寝てるだけ!?」ナルサが叫ぶ。
「紛らわしいわよ!!」キキが脱力する。
父のディスプレイ【睡眠確認】。
「もう……心配した……」母は胸を撫で下ろす。
「よかったぁ……」リーナも安心して抱きつく。
「無事確認です」ヒカリも小さく頷いた。
カイルは薄く目を開ける。「……ん?」寝ぼけ顔だ。
「"ん?"じゃない!!」キキが即ツッコミする。
「倒れてるから死んだかと思ったよ!」ナルサも怒る。
「連戦で疲れた……」カイルはぼんやりしていた。
そして、片手の父の頭を見る。「親父がうるさくて寝れん……」
頭。カタカタ。
「ほんとにカタカタしてる!」リーナが吹き出す。
「……休憩しましょう」母は苦笑しながら立ち上がった。
その瞬間、ゴーレム馬車が変形を開始する。
ガコン。ガコン。
装甲展開、室内拡張、簡易拠点形態。
「便利ですね!?」ナルサが驚く。
「少し休めるわね……」キキも呆れた。
内部には簡易ベッド、机、暖房魔石。さらにお風呂まで。
「おふろ!」リーナが大歓喜する。
「快適空間です」ヒカリも満足そうだ。
「移動要塞レベル」ミーナが解析する。
父のディスプレイ【簡易拠点♪♪】。
「親父もノリノリだな……」カイルは苦笑した。
こうして家族全員、危険な上階層の真ん中で一時休憩を取るのだった。




