第236話 うるさい頭
上階層・機械区画。
ドォン!!
最後の機械ゴーレムが崩れ落ちる。火花、煙、静寂。
カイルは肩で息をした。「……はぁ」
連戦、休みなし。さすがに疲労が溜まっていた。片手には骸骨の頭、父だ。
カイルは壁にもたれかかり、近くの機械箱へ腰掛ける。
「少し休む……」
静かな空間。ブゥゥン……遠くの駆動音だけが響く。カイルは目を閉じた。
しかし……。
カチ。カチカチ。……カチカチカチ。
カイルが片目を開ける。父の頭が顎をカタカタ鳴らしていた。
「……何してんだ」カチカチ。止まらない。「うるさい」カイルが眉をひそめる。
頭。カタカタカタ。微妙にテンポがある。「やめろ」
カタッ。一瞬止まる。そして、カチカチカチカチ!!
悪化した。「おい!!」
頭は楽しそうだった。完全に遊んでいる。カイルは疲れた顔で頭を掴んだ。「ガキか」
頭。カタカタ。どこか笑っているようにも見える。
カイルは深くため息をついた。「親父……」
その時。ギギ……。
敵の反応。カイルが顔を上げる。通路奥、新たな機械型モンスター。しかも複数だ。
「休ませろよ……」
しかし、父の頭がカッ!!と目が光る。戦闘モードだ。
「元気だなぁ!」カイルは呆れながら立ち
上がった。
頭。カタッ。どこか誇らしげだ。カイルは笑う。疲れていたが、少しだけ気が楽になっていた。
一人じゃない。たとえ連れが"骸骨の頭だけ"でも「……行くぞ、親父」カイルは魔力を展開する。
カタカタ!
頭が元気よく返事した。
再び、親子の戦闘が始まる。




