第231話 初陣データ
中央ダンジョン・中層階。
ガコン。
金属音を響かせながら、カイルたちは進んでいた。以前なら苦戦した通路だが、今は違う。
《パワードスーツ》。さらに改良された新装備。装甲強化、魔力効率向上、機動力増加。
「うわ、軽っ!」キキが軽く跳んで驚く。以前とは別物の動きだ。
「魔力消費も少ない……!」ナルサも驚いた。
父のディスプレイ【高性能】。
前方に虫型モンスターが出現した。
ガギギギ……
複数。しかしカイルは落ち着いていた。
「ミーナ」
「了解」ミーナが前へ出る。
その瞬間。
ブゥン!!
ミーナの瞳が発光し、加速する。「速っ!?」キキが驚いた。
ミーナは無駄がない。最短距離、最適動作。敵の攻撃を紙一重で回避し肘打ち。
ドゴォ!!
虫型モンスターが吹き飛ぶ。
「強……」ナルサが絶句した。
さらにミーナは敵の動きを瞬時に解析する。「関節部脆弱確認」
バキィ!!
正確に破壊。敵が停止した。
「戦闘効率、高いです」ヒカリが感心する。
「かっこいい!!」リーナも目を輝かせた。
ミーナは止まらない。二体目に回し蹴りを叩き込みドン!!壁に叩きつける。三体目には魔法。「魔力弾、発射」
ピシュゥ!!
正確にモンスターを撃ち抜き、撃破。
静寂。
「新人じゃないでしょこれ」キキが苦笑する。
「完全にベテラン……」ナルサも頷いた。
カイルは後ろで腕を組み、ニッコリしていた。「いいな」完全に研究者の顔だ。
魔石ディスプレイに次々とデータが流れる。戦闘速度、反応時間、出力、魔力消費。すべて記録されていく。
パワードスーツ組も強かった。キキが敵を切り裂き、ナルサが後方支援し、父が大剣で吹き飛ばす。以前とは比べ物にならない。
スイスイと進む。中層階の危険地帯ですら、今の一行には障害にならなかった。
「らくらく!」リーナが笑う。
「進軍速度、大幅向上です」ヒカリが分析する。
「戦闘継続可能」ミーナが頷いた。
「完成度は高いな」カイルが満足そうに呟く。
「その顔、完全に楽しくなってるわよ」キキが横目で見る。
「当然だ。研究成果が実戦で機能してる」カイルは否定しなかった。
「もう研究者なのか冒険者なのかわかんないね」ナルサが苦笑する。
父のディスプレイ【両方】。
全員が少し笑った。




