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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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第221話 王宮の厨房と二つの卵料理

 王都・王宮。


 高い天井と白い石壁。整然とした回廊を進み。カイルたちは厨房へ通された。


 扉を開けた瞬間。熱気。香り。忙しく動く料理人たち。


 その中心に、一人の男。腕を組み、こちらを見る。


「……お前が例の」


 少し偉そうな態度。王宮料理長だった。


 キキが小声で言う。「感じ悪いわね」


 ナルサもひそひそ。「うん……」


 カイルは気にせず前に出る。「プリンを持ってきた」


 容器を差し出す。料理長は受け取り、じっと見た。


「……見たことがない」


 スプーンで一口。


「……」


 無言。キキがニヤニヤする。次の瞬間。


「……うまいな」


 低く呟く。ナルサが小さくガッツポーズ。リーナとヒカリはいないが、なんとなく誇らしい空気が漂った。


 料理長が言う。「作り方を教えろ」


 命令口調。キキが眉をひそめる。「言い方」


 カイルは淡々と答えた。「いいですよ」


 厨房・調理開始。


 カイルが材料を並べる。「卵、砂糖、ミルク」


 料理人たちがざわつく。「それだけか?」


 カイルは頷く。「シンプルですよ」手際よく混ぜながら続ける。「温度管理が重要です」


 料理長が真剣な目で見守る。蒸し工程。ゆっくり、丁寧に。やがて完成。


 なめらかなプリン。


 料理長が頷く。「……再現可能だ」


 だが、カイルは続けた。「もう一つあります」


 ナルサが首を傾げる。「まだあるの?」


「茶碗蒸し」カイルはつぶやく。


 キキが驚く。「なにそれ」


 カイルは同じく卵を使う。だが出汁、具材、全く違う方向性。


 料理人たちが興味津々に覗き込む。「塩味だと……?」


 蒸し上がる。ふわりとした香り。料理長が一口。


「……これは」


 驚きの表情が浮かぶ。


「旨い」


 はっきりと言った。


 ナルサが笑う。「すごい……」


 キキも感心する。「ほんと何でもできるわね」


 カイルは淡々と。「応用だよ」


 料理長は腕を組む。「面白い」


 少しだけ、態度が変わった。


「……礼を言う」


 小さいが、確かな言葉。


 カイルは軽く頷く。「王妃に出して下さい」


 料理長も頷いた。「任せろ」


 厨房を出る一行。


 ナルサが興奮気味に言う。「王宮の料理人に教えるってすごくない!?」


 キキが笑う。「ちょっとした事件ね」


 父のディスプレイ。【料理成功】


 母が嬉しそうに言う。「きっと喜ぶわ」


 カイルは静かに言った。「……良かった」


 戦いではない。だが確かな"成果"。プリンと茶碗蒸し。二つの料理が、王宮に新しい風を吹き込もうとしていた。


 そして、この後、王妃の反応がすべてを決める。




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