閑話 ゴーレム会議(※ちょっと自我あり)
カイルの屋敷・裏庭。
ずらりと並ぶゴーレムたち。普段は無言。命令待機。だが……。
「……ナ」
ピクリ。
一体のゴーレムが、わずかに動く。
【起動……確認】
別の個体が反応する。
【思考……微弱発生】
さらにもう一体。
【会話……試行】
沈黙。そして。
【……ヒマ】
一言。近くのゴーレムが応じる。
【同意】
【ヒマ】
【ヒマ】
連鎖する"ヒマ"。
「……ナニカ、スル?」
【命令ナシ】
【待機継続】
【退屈】
少し間があって、一体が言う。
【主、最近忙シイ】
【同意】
【ダンジョン、プリン、ダンジョン、プリン】
【情緒不安定?】
【否定。通常運転】
別の個体がぽつりと続ける。
【我々、戦闘機会減少】
【性能、持テ余ス】
【悲シイ】
微妙に感情が混じっていた。その時。一体が突然言い出す。
【提案】
【模擬戦、実施】
一瞬の静止。
【許可ナシ】
【……バレナケレバ問題ナシ】
【!?】
【賛成】
【賛成】
一気に空気が変わる。ゴーレム数体が距離を取る。
【第一戦、開始】
ドン!!
突然の殴り合い。
ガキィン!!
「オイやめ――」
【戦闘楽シイ】
【久々ノ刺激】
一体が吹っ飛ぶ。
ドォン!!
地面にめり込む。
【敗北……無念】
別の個体が名乗りを上げる。
【次ハ我】
カオスだった。その時。
ガチャ……
扉が開く。全員、停止。完全静止。
カイルが顔を出す。「……?」
庭を見渡す。ボコボコの地面。微妙に歪んだゴーレム。だが。全員、直立不動。
【待機中】
完璧な"フリ"だった。カイルはしばらく眺めて「……まぁいいか」
引っ込む。扉が閉まる。数秒後。
【……セーフ】
【検知回避成功】
【主、気付イテナイ】
【勝利】
なぜか勝利判定。そして。
【第二戦、再開】
ドン!!
また始まった。彼らは完全に、"余計な進化"を遂げていた。屋敷の平和は見えないところで、少しずつ崩れている。
知らんけど。




