第213話 扱う者、振り回される者
ダンジョン都市・カイルの屋敷、訓練場。
新型装備その実戦訓練が始まっていた。
ガシャン、ガシャン。
金属の駆動音が響く中、リーナは軽やかに走り回っていた。「みてみて!」
ピョン!!
大ジャンプ。空中で一回転。
ドン!
ヒーロー着地も完璧だ。
ヒカリも滑らかに動く。無駄のない動作。「制御、最適化済み」スッと高速移動し、ピタリと停止する。
「……なんでそんな普通に動けるのよ」キキが呆然と見ていた。
「なんか、かんたん!」リーナは笑う。
「直感操作が可能」ヒカリも言う。
一方……大人組。
「ちょ、ちょっと待って!」ドン!!勢い余って前のめりに転ぶキキ。「ぐっ……!」
母も苦戦していた。「きゃっ!」バランスを崩してよろける。メイドゴーレムが即座に支えた。
「大丈夫ですか」メイドゴレームがつぶやく。
「ありがとう……」母が安堵の顔をする。
ナルサも装着していた。「これ、難しすぎない!?」一歩踏み出しただけで……ドン!!
地面を踏み抜く。「うわぁ!?」ナルサは叫ぶ。
「出力制御不足」ヒカリが冷静に言う。
父も苦戦中だった。大剣を振ろうとした瞬間、ブォン!!
勢いが強すぎてバランスが崩壊する。
ガシャーン!!
派手に転倒。ディスプレイ【失敗】。
「おとうさん、へた!」リーナが笑う。
「笑ってる場合じゃないわよ!」キキが立ち上がりながら言う。
「これで戦うとか無理でしょ……」ナルサが息を切らした。
カイルは腕を組んで見ていた。「慣れだな」
「簡単に言うわね!」キキが睨む。
「出力を抑えろ。最初から全開で動くな」カイルは淡々と続ける。
「段階的適応が必要」ヒカリが補足した。
母がゆっくりと動く。「こう……かしら」慎重に、一歩。今度は転ばない。「……できた」
ナルサも真似する。「ゆっくり……」
ドン……
少しずつ安定してきた。キキも深呼吸して構え直す。
ガキン!!
しっかりと攻撃が当たった。「いける……!」
父も立ち上がる。ディスプレイ【再挑戦】。ゆっくりと剣を振ると、今度は安定している。
「その調子だ」カイルが小さく頷いた。
「がんばれー!」リーナが元気に言う。
「成長確認」ヒカリも言った。
訓練は続く。最初はぎこちなくても、確実に全員が"扱える側"へと変わっていく。
機械領域への再挑戦。その準備は、着実に進んでいた。
カイルは空を見上げた。「……もう一回だ」
次は負けない。そう決めていた。




