第212話 新装備《パワードスーツ》
ダンジョン都市・カイルの屋敷。
帰還から数日。カイルは工房にこもっていた。
机の上には設計図。歯車、魔導回路、骨格フレーム。
「……硬いなら」低く呟く。「こっちも"硬くなる"しかない」
機械領域の敵。高耐久、高機動。従来のゴーレムでは押し負ける。カイルの目が細くなった。
「なら、人が直接動く」
ゴーレムに"乗る"のではなく"着る"。新発想だった。設計が進む。
数日後。庭にずらりと並ぶ人影。いや、装備だ。金属と魔導回路で構成された外骨格、新型ゴーレム。
《パワードスーツ》。
「すごい!!」リーナが目を輝かせる。
「身体強化装備」ヒカリが分析する。
「……また変なの作ったわね」キキが腕を組む。
「これ、着るの?」母が少し驚く。
父のディスプレイ【興味】。
「装着型ゴーレムだ」カイルが説明する。「筋力補助、防御強化、機動力向上。機械領域対策だ」
「合理的進化」ヒカリが言う。
「はやくやりたい!」リーナが跳ねる。
「みんな装着してくれ」
ガシャン。
各自が装備していく。リーナは軽量型・機動特化、ヒカリは制御型・精密操作、キキはバランス型・戦闘重視、母は補助型・支援防御、父は重装型・パワー特化。そしてカイルは中核型・制御と火力。
全員装着完了。
「同期開始」ヒカリが言う。
ブォン……
魔力が全身を巡る。
「おお……!」リーナが拳を握った。「ちからつよい!」
キキが軽く踏み込む。
ドン!!
地面が沈む。「……やばいわね、これ」キキがつぶやく。
父が剣を振ると、ブォンと空気が裂けた。ディスプレイ【強化確認】。
「守りもいけるのね」母が手をかざして防御フィールドを展開する。
「実戦想定だ」カイルが頷いた。「訓練するぞ」
ゴーレムが標的として配置され、戦闘が始まる。
リーナが駆ける。速い。「すごいすごい!」
ヒカリが正確に攻撃する。「制御良好」
キキが連撃を叩き込む。「これなら通る!」
父が一撃を放った。
ドォン!!
圧倒的な破壊力。母が「防御、戦闘補助する。」と支援に回る。
連携が噛み合う。明らかに強い。
「……これならいける」カイルはそれを見て頷いた。
機械領域、再挑戦。その準備が整った。
「つぎはかつ!」リーナが笑う。
「成功確率、上昇」ヒカリが言う。
「リベンジね」キキが不敵に笑った。
父のディスプレイ【再戦】。
「無理はしないでね」母も微笑む。
「大丈夫だよ」カイルは静かに言った。
その目はもう、次を見ていた。機械の迷宮、未知の敵。すべてを攻略するために、新たな力を手に彼らは再び挑む。




