第210話 帰還
中央ダンジョン・中層。
機械領域から離脱した一行は、そのまま退却を続けていた。大森林、見慣れた景色。
「なんか安心する……」リーナがほっとした顔で言う。
「環境ストレス、低下」ヒカリも頷く。
「やっぱりあそこは異質ね」キキが肩を回した。
「準備不足だったな」カイルは前を歩きながら言う。
父のディスプレイ【再戦】。
「無理しなくて正解よ」母がやんわりと笑う。
ゴーレムたちが周囲を警戒しながら進む。低階層へ入ると、モンスターが現れた。しかし……ドン!!
一撃で終わる。
「弱いね!」リーナが笑う。
「脅威度、低」ヒカリも言った。機械領域との落差が大きい。
「別物だな」カイルが呟く。
順調に進み、やがて光が見えてきた。ダンジョンの入口。外の空気が流れ込む。
「そとだー!!」リーナが駆け出した。
外へ。光、風、空。完全帰還。
「ダンジョン離脱完了」ヒカリが言う。
「はぁ……やっと出た」キキが大きく伸びをする。
「みんな、お疲れ様」母が微笑んだ。
父のディスプレイ【帰還】。
カイルは一度だけ振り返った。ダンジョンの入口。その奥に機械領域、メデューサの塔、そして、まだ見ぬ深層。
「……また来る」
静かな宣言だった。
「つぎはかつ!」リーナが元気に言う。
「対策必須」ヒカリが頷く。
「準備しがいがあるわね」キキが笑う。
「ちゃんと計画してね」母も優しく言った。
「当然だよ」カイルは小さく笑う。
戦いは終わった。しかし冒険は続く。新たな敵、新たな領域、すべてを攻略するために。
一行は街へと戻っていく。次の準備のために。




