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ゴーレムはロボットです。  作者: 山田 ソラ


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202/252

第200話 視線の代償

 中央ダンジョン・中層、魔境の塔・最奥。


 石像の回廊を抜けた先――広大な円形の空間。空気が違う。重く、濃く、圧がある。


「……来るぞ」カイルが低く言った。


 その瞬間、床に巨大な魔法陣が浮かび上がる。


ゴゴゴゴ……


 中心からゆっくりと影が現れた。確実に、じわじわと。

 それは人型に近い、異形。滑らかな黒い体、長い腕。そして顔には"目"。異様に大きく、輝いている。


「ダメ!!」ナルサの顔色が変わり、叫んだ。「目を見るな!!」


 しかし、その声が響いた瞬間、リーナが思わず視線を向けてしまう。


「……え?」


 キキも一瞬、目が向いた。「なにあれ……」


 その瞬間。


ピシッ……


 空気が凍る。リーナの体が止まる。キキも同時に。


「っ!?」カイルの目が見開かれた。


ピキ……ピキピキ……


 石の音。リーナの足元から灰色が広がっていく。


「……え?」


 キキの腕も、石へと変わり始めた。


「だから言ったのに!!」ナルサが叫ぶ。


 完全な石化ではない。だが進行している。


「視線遮断!」ヒカリが即座に動いた。風を巻き起こし、砂埃で視界を遮る。


「下がれ!!」カイルが叫ぶ。ゴーレムが前に出て壁になった。


 リーナは動けない。半身が石だ。「……カイル」


「最悪……ね」キキも歯を食いしばる。


「石化の魔眼……見たら終わり……」ナルサが震える声で言う。


「対策必須」ヒカリが冷静に言った。


 カイルの思考が加速する。


(視線を合わせるな。直接見なければいい)


 ゴーレムへ指示を出す。「センサー切り替え。カメラ遮断、魔力感知へ」自分も目を細め、直視しない。


「……やるしかないな」


 ボスが腕を振るった。


ドォン!!


 衝撃波。ゴーレムが受け止める。


「ヒカリ!」


「はい」


「援護しろ」


 ヒカリが風で空間を歪め、視線を遮断し続ける。


「時間をかければ……完全に石になる!」

 

 ナルサが必死に言う。


「やだ……」リーナが小さく言う。


「早く……倒しなさいよ」キキも呟いた。


 カイルの目が鋭くなる。


「……速攻だ」


 条件付き、制限付き、最悪の状況。石化というタイムリミットの中、仲間を救うための戦いが始まる。




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