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薔薇の毒
「ねぇ、薔薇の毒って何色だと思う?」
「君は本当に薔薇の毒が好きだね。もっと他に、白百合や木蓮の毒について考えないの?」
「だって白百合の毒は甘すぎて弱すぎるから睡眠薬代わりにしかならないわ。木蓮の毒は自分を殺すことにしか使えないし」
「そっか」
「それで、薔薇の毒は何色だと思う?」
「透明なピンクの液体かな。気化すると強い赤の香りで肺に入って、そこで鋭利な、白い結晶になる。そんな気がするよ」
「あなたが言ってるのは紅薔薇の毒のことね。白薔薇の毒を味わってみない?」
彼女はそう言って私に口づけする。冷たい香りが脳髄に達したとき、私の意識は体を離れていた。
「白薔薇の毒は直接脳髄に行って体を凍らせるの。おやすみなさい」
そんな彼女の声が聞こえた気がした。




