↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が忘れた恋を、僕は今も覚えている  作者: 著者:月城レイ 編集:月城のの
第二章 偽りの恋人(第6話〜第10話)
PR
8/12

第7話 届いた手紙

翌日の放課後、零のもとに一通の手紙が届いた。

差出人の名前を見た瞬間、零は思わず足を止めた。

坂口日奈。

テレビや雑誌で見かける人気女優だった。美しい容姿と明るい笑顔で知られ、同年代の人々からも注目を集めている。

「……なんで俺に?」

手紙には、零に会いたいという内容が書かれていた。以前、ある場所で偶然会話を交わしたことがあり、そのときの零の態度が印象に残っていたらしい。

普通なら、喜んでもおかしくない話だった。

しかし、零の頭に浮かんだのは日奈ではなく、病室で笑う千秋の姿だった。

「今は、それどころじゃないだろ……」

手紙をしまおうとしたとき、スマートフォンが鳴った。画面には、知らない番号からの着信が表示されている。

零が電話に出ると、落ち着いた女性の声が聞こえた。

「突然すみません。坂口日奈です。手紙、読んでいただけましたか?」

「……読みました」

「よかった。実は、どうしてもお話ししたいことがあるんです」

日奈の声は丁寧だったが、どこか急いでいるようにも聞こえた。

「お会いできませんか?」

零はすぐには答えられなかった。

千秋のことだけで頭がいっぱいだった。これ以上、余計な問題を抱えたくない。それが本音だった。

「すみません。今は忙しくて」

「そうですよね……。でも、一度だけでもお願いします」

電話の向こうで、日奈は少し黙った。

「あなたに、どうしても聞いてほしいことがあるんです」

その言葉が気になり、零はため息をついた。

「……短い時間だけなら」

「ありがとうございます!」

日奈の声がぱっと明るくなった。

電話を切った零は、手紙を見つめた。

この出会いが、千秋との関係を大きく変えてしまうことになるとは、まだ想像もしていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。