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君が忘れた恋を、僕は今も覚えている  作者: 著者:月城レイ 編集:月城のの
第二章 偽りの恋人(第6話〜第10話)
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第6話 変わらない想い

病室の窓から、柔らかな日差しが差し込んでいた。

千秋はベッドの上で、窓の外を眺めていた。事故に遭ってから、少しずつ体調は回復している。しかし、失った記憶は戻らないままだった。

「千秋、今日は調子どう?」

零が病室に入ってきた。

「うん、大丈夫! 零は今日も来てくれたんだね」

千秋は笑顔を向けた。

その笑顔を見るたび、零の胸は締めつけられた。以前の千秋も、こんなふうに笑っていた。何気ない会話をして、隣を歩いて、時にはくだらないことで言い合いをした。

けれど、今の千秋は、自分との思い出を何一つ覚えていない。

「……零?」

「え?」

「なんか悲しそうな顔してるよ。私、何かしちゃった?」

千秋が心配そうに尋ねる。

「違うよ。千秋は何も悪くない」

零は慌てて首を横に振った。

「そっか。ならいいけど……無理しないでね」

記憶を失っているのは千秋なのに、彼女は自分を気遣ってくれる。その優しさは、以前と何も変わっていなかった。

零は千秋の手元に視線を落とした。

もう一度、彼女と笑い合いたい。以前の関係に戻りたい。たとえ記憶が戻らなくても、これから新しい思い出を作っていきたい。

「千秋」

「なに?」

「俺、これからも会いに来ていいか?」

千秋は不思議そうに首をかしげたあと、明るく笑った。

「もちろん! 零が来てくれるとうれしいから」

その言葉に、零は小さくうなずいた。

彼女の記憶が戻る保証はない。それでも、自分の気持ちは変わらない。

零は心の中で、もう一度誓った。

何があっても、千秋のそばにいよう。

たとえ彼女が自分を忘れていても、この想いだけは忘れない。

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