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第5話 近づく二人
日奈は、零に何度も連絡をした。
食事に誘ったり、昔の思い出を話したり、会う理由を作ったりした。
零は何度も断ったが、日奈は簡単には引き下がらなかった。
そのことを知らない私は、零がスマートフォンを見るたびに、なぜか胸がざわつくようになっていた。
「零さん、最近忙しいんですか?」
「少しね。でも、君のところには来るよ」
零は私の頭を優しくなでた。
その瞬間、胸の奥に温かいものが広がった。
「……ありがとうございます」
自分でも驚くほど、私はうれしかった。
零は少し笑って、私の隣に座った。
「千秋。焦らなくていいからね。思い出せなくても、俺はここにいるよ」
私はうなずいた。
彼の言葉を聞くと、不思議と心が落ち着いた。
しかし、そのころ日奈は、零の彼女が入院していることを知る手がかりをつかみ始めていた。




