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君が忘れた恋を、僕は今も覚えている  作者: 著者:月城レイ 編集:月城のの
第1章 失われた記憶(第0〜5話)
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第2話 知らないはずの人

零は、私の手をそっと握った。

「俺は零。君の彼氏だよ」

彼氏。その言葉を聞いても、私の頭には何も浮かばなかった。

「ごめんなさい……本当に思い出せなくて」

「謝らなくていい。君が目を覚ましてくれただけで、俺はうれしいから」

そう言った零の顔は、少し悲しそうだった。

突然、頭に激しい痛みが走った。

「痛い……!」

零はすぐにナースコールを押し、私の手を握った。不思議なことに、彼が手を握ってくれると、少しだけ痛みが和らぐ気がした。

医師によると、頭痛の原因はまだわからないらしい。私は、痛みがひどくなったときのための薬を処方された。

その夜、零は私のそばにいてくれた。

「零さんは、どうしてそんなに優しいんですか?」

「それは……君が大切だからだよ」

彼の言葉を聞いたとき、胸の奥が小さく痛んだ。

知らないはずの人なのに。

どうして私は、彼の悲しそうな顔を見ると、こんなにも苦しくなるのだろう。

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