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第1話 失われた記憶
私の名前は、神崎千秋。高校2年生。父と母の夏美、妹の冬美との4人家族だ。両親はいつも帰りが遅く、冬美は中学2年生でもうすぐ3年生になる。「あの小さくてかわいかった冬美が、もう中学3年生か」そんなことを考えながら、私は彼氏の零とデートを楽しんでいた。
そのときだった。一台のトラックが、こちらに向かってくるのが見えた。
「零、危ない!」
私はとっさに零を突き飛ばした。次の瞬間、強い衝撃が私を襲った。
目を覚ますと、そこは見知らぬ病室だった。
「ここは……どこ?」
ベッドのそばには、男性が一人、布団に寄りかかって眠っていた。なぜだろう。初めて見るはずなのに、私は彼に見覚えがある気がした。
やがて男性が目を覚ました。
「やっと起きたんだ。千秋、君、二日間も昏睡状態だったんだよ」
「そうなんですか。ありがとうございます。すみません、失礼ですが、あなたは誰ですか?」
男性の顔から笑顔が消えた。
彼の名前は、零。
そして、私は彼との記憶を失っていた。




