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ネコ  作者: 秋月心文


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8/9

バランスの悪い愛情表現

 ある日、はじめて行く町のネコカフェを訪れた。


 だけど、私はネコにはさほど好かれない体質だ。

 触れると逃げられてしまう。


 だから、今日の目的は触れ合うためじゃない。

 スマホの望遠レンズで、ネコを撮影するためだ。


 椅子に座って写真を撮る。

 ネコはとても絵になるので大好きだ。


 ふと、1匹のネコが、

 私のところに近づいてきて、

 膝の上にのった。


 え?


 初見のネコに、ここまでされることは珍しかった。

 なでても逃げない。

 ちょっと予想外だった。


 えぇ!? 何これ、超うれしい!!


 でも……

 何かが違っていた!


 私は椅子に座っている。

 そんな私の膝の上にのっている。

 だけど座らない。


 4本脚で立ったまま、膝の上にいる。

 ……絶対バランス悪いよね?


 少しすると、その子の足がプルプルとふるえ出した。

 ですよね!!

 バランス取りにくいですよね!!


 それでも、座ろうとしない。


 なんで!?


 ひざの上に乗ってくれるのはうれしいのだけど、 

 なんだか、とても申し訳ない気持ちになった。


 いろいろ姿勢を変えてみた。


 椅子の上から落ちると可哀そうだから、

 床に座って足を伸ばしてみたりした。


 だけど、椅子に座ってる時だけ、膝の上に乗ってくる。

 どうして、そんなにバランス取りにくい状態の時に!?


 その後、ネコカフェの人と話した。


「そのコ、膝の上に乗るのが大好きなんですよ」


 うん、それはわかる。

 わかるんだけど……。


 うれしいはずなのに、見ているこっちがハラハラする。

 ネコの気持ちは、やっぱり難しい。

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