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ネコ  作者: 秋月心文


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17/19

まっくろくろすけ

 広島にいた時のこと、夜にコンビニに行った帰り道でした。

 足元で何かが動いている気がしました。


 気になって足元を見ると、なにか小さな黒いものが動いていました。


 場所は、道の側溝付近。

 ちょうど街灯の光があまり当たらない場所だった気がします。


 大きさにすると……

 トトロに出て来た「まっくろくろすけ」くらいの大きさでしょうか。


「なんじゃ、こりゃ?」


 マジマジとみていると、だんだん目が慣れてきます。

 大きな丸っこい部分にピンと立てた耳が2つ。

 小さな足が4本、先っぽがピクピク動いているしっぽ。

 真っ黒い子猫でした。


 よく見ると、

 1匹……

 2匹……

 3匹……

 途中で数えるのが面倒になったのでよく覚えていませんが、7匹くらいいたような気がします。


 全部、真っ黒いコたちでした。

 ふつう、ネコのコっていったら、多少は色が混ざるものでは?

 という認識があったのですが、全部がまっくろくろでした。


 え?

 数えるの諦めるの早すぎ?

 気にしないでw


 さらに周囲を見渡すと、黒い成猫が1匹。

 おかあさんかな?


 子猫たちは好奇心旺盛です。

 私に興味を示して近づいてきました。


 成猫は警戒心全開です。

 私に子猫を近づけないように促します。


 まるで……

「こんなわけのわからない人に近づくんじゃありません」

 とでも言っているようです。


 近づいてくる。

 母ネコが邪魔する。


 今度は他のコが近づいてくる。

 母ネコが邪魔する。


 また、最初のコが近づいてくる。

 母ネコが邪魔する。


 おもしろいので、しばらくは子猫と成猫の攻防を眺めていました。


 だけど、その一家はなんだか「引っ越し中」らしかったので、あんまり邪魔しちゃいけないなと思い、そこを立ち去りました。


 翌日以降、側溝に子猫が落ちてないか、ついつい見てしまうようになりました。

 でも、そんなものは落ちてません。


 まぁ、無事に引っ越しできたのでしょう。


 あの家族がどこに引っ越したのかわかりません。

 それでも時々、真っ黒い成猫がダッシュで道路を横切る姿を目にしていました。


 だけど、見ずにはいられない。

 側溝に子猫が落ちてないか。


 落ちてないとわかっているのに。

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