ネコカフェでの収穫
初めて行ったネコカフェは、超満員だった。
ネコが……なら良かったのだが、人が……である。
初めて来たネコカフェでネコに触れられないことは、珍しくない。
ネコは初見のお客様を多少なりとも警戒するのだ。
だけど、その日はネコ慣れした人が多かった。
ネコは、なぜかネコ慣れした人を見抜く。
吸い寄せられるように、その人たちの元に向かっていく。
もしかすると、いわゆる常連さんだったのかもしれない。
私にできることは、眺めていることくらいだ。
60分のお金は払ってしまった。
ならば、せめて時間までは眺めていよう。
そう心を決めた。
椅子に座り、少したそがれていた。
机の上に、ひょこっと子猫が乗った。
子猫か……
残念だが、子猫は私の好みではない。
頭が大きすぎて、なんともアンバランスな気がする。
ほっとけないという気にはなるが、ガッツリ撫でたり抱き上げたりするのは、壊れそうでとてもできない。
だから、私はデカいネコが大好きだ。
……と話を戻そう。
目の前の子猫は、とことこと私の方に歩いてきた。
歩き方も、どことなくぎこちない。
見ていて「大丈夫か、頑張れ……」などと思ってしまう。
1歩、また1歩……ゆっくりと。
私に向かって、ネコまっしぐらである。
おかげで、私の視線はそのコにくぎ付けになった。
そして、私の手をくんくんすると、ペロリと舐めた。
ザラリとする感触ではなかった。
ペロリだった。
ということは……
敵意はない。
仲良くしたい。
そういう意味だろう?
こいつ……。
人の心の掴み方をわかっていやがる。
子猫だというのに、とんでもない人たらしだ。
撫でたい、抱き寄せたいという気にはなるが、子猫はどうにも怖すぎていけない。
そんなことを考えていると、子猫はどこかにいなくなっていた。
その日のネコカフェでの収穫は、それだけだった。
それだけだったのだが、ことのほか満足してネコカフェを出ることができた。
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