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タクティクス・クロニクル~水晶《クリスタル》の輝き~  作者: 風快李吏


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■2. 光に導かれて

「ここはどこだ?」

光に包まれてしまったオレは何が起きたのかよく分からなかった。ここはどこだろう。辺りを見回しても、前も後ろも右も左も真っ白な光がつづくだけ……。オレは、さっき起きたことを少しずつ思い出してゆく。だがすぐには思い出すことがなかった。なぜだろう。混乱していて分からない。頭がボーっとしていて……。この真っ白な光の世界の中ただ一人、だ。……――ひかり……――そうだ光だ。

「そういえば……」

少しずつ思い出してきた。石が輝いて、その光の中に吸い込まれたんだ、オレ。あれ……ナーラは……あいつも光に巻き込まれたはず。どうしたのだろうか。

「それよりもこれからの事を考えるべきだ。この光の中どうしたらいいのだろう……」

はぁと重い溜め息をした。冒険、旅……何度も何度繰り返して思い、成し遂げると心に誓っていた。そして今も。

―――そんなに旅がしたいか?

(あー、したいとも……えっ?)

光の中から声がした。驚きのあまり立ち上がった。誰だ。

「誰だ!?」

―――汝こそ誰だ。我に無礼な事を云う者は。

ふと後ろを振り向くと遠くで人影が見えた。しかし逆光で姿は見えない。

「オレはウーグ・ロアイストだ」

―――……そうか汝が我を呼んだのか。汝は何故冒険がしたい? 危険を冒してまでしたいか。家族にももう会えんように成るかもしれんのだぞ。命を落とすかもしれんぞ。

オレにとってそんなのはどうでも良かった。旅や仲間が出来ればそれでいい。だからオレは姿形が見えない、(内心では怪しいと思っている)不思議な人物に即答した。

「そんなことは承知の上だ。オレにとってそれは、昔からの夢だった。城で育ったオレは囚われの身。自由なんてなかった。だからこそしたいんだ」

目の前の人物は、そうかと頷いた。・・・そういやぁ、

「それよりも、貴方は誰です?」

―――我の名なんか汝に教える必要はない。

おいおい、名前ぐらい良いだろう・・・。

―――そうか、そこまで言うのならその望み叶えてやる。ただし、後のことは知らんぞ。

望みを叶えてやる? 呼び寄せた? 後のことは知らない? どういう事だ。

「教えてくれ名はいい・・・・・・何者なんだ?呼び寄せたとは何なんだ!?」

―――……我は、〝災いすらもたらす望みを叶えし光〟とでも言っておこうか。もう一つのことは汝自身で考えろ!では、さらば!少年よ――……。

おい、名前よりもココは何処か教えろ! と叫んで呼び止めようとした。だが、それは虚しく出来そうになかった。光と答えたあいつは、この白い世界の奥へと消えて行った。

(なんだったんだあいつ……)

そう思った数秒後だった。辺り一面を覆っていた光という光が徐々に収縮して小さく小さくなって消えて行った。目が眩んだため右手で両目を覆った。

(いったい何が起きているんだ!?)

オレはまた一人になった。今度はしーんとした何もない空間の中で。



覆っていた手を除けると暗闇がそこにあった。自分が存在しているのかさえ判らなくなるほどだ。闇の中に吸い込まれてしまうのではないかとつい思ってしまう。

(光の中の方がマシだ)

不意にそう思った。

(不安だ)

なんだか怖くなってきた。気がつくと地に座り込んでいた。本当に怖い。

ギイィィギイィィ……。

「!?」

急に歯軋りのするような音が聞こえてきた。

(えッ……)

次は何だ。前を見ると、青白い光と赤黒い光(というより火?)が見えた。オレはそれをジーっと見た。不気味だ。その2つの光はゆらゆらと浮いていて、舞い踊るように何らかの形を描いてゆく……。

「ぎゃあぁぁぁ!ば、化けモノ!」

そう叫んだオレが見たものは、この世のモノとは思えないものだった。―――それは……鬼(身体ナシ!)とガイコツ(頭だけ!)。

「お、おい……く、来るな来るな来るな来ルナ!」

叫んだのが悪かった。鬼は眼をカッと見開き、ドクロは歯をカタカタと鳴らしながらオレの方へと近付いてくる。どちらもオレの10倍以上はあるだろう……。オレは尻餅をつき、後ろへと退っていた。ポン、肩を叩かれた気がした。オレは恐る恐る背後を振り向いた。「うっ…」わぁぁぁと言葉にならない声を叫んだ。腕だ。数本の腕はそこにあった。それらは手首をカクカクと音を鳴らしていた。そいつ等はオレをあの世へと招き入れようとするかのように動いていた。そして、それらは段々と速く移動しだしてオレの周りを円を描いて囲んでいく……。

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ………―――」

オレは涙目になりながら絶叫した。意識が遠のいてゆく……。

次の瞬間オレは、気絶した。

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