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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第1章 魔女の洗礼

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第7話 やっぱり今日も行ってみた

 実は昨日、刀の製作の研究会を調べるついでに、他の研究会の紹介も一通り読んでみたのだ。

 まず魔法系は、僕が魔法を使えないので選択肢から消える。

 運動部系も、魔力増強した連中が猛威を振るっているらしいのでパス。

 なにせ凶悪すぎて、高専の全国大会等からもハブられているらしいし。


 とすると文化部系の研究会や同好会、サークルとなる訳だ。

 しかし今ひとつ、これだというのが見当たらない。

 製作系の研究会が一番興味が持てそうだけれど、やっぱり何かしっくり来ない。

 昨日の刀作りの、あの充実感がまだ残っているせいかもしれないけれど。


 よし、決めた。昨日の工房に行ってみよう。

 あの同好会? は、このパンフにも記載が全くなくて正体不明。

 でも学生会の工房を使っていることだし、怪しい組織ではないだろう。

 僕は今見ていたパンフや机の中のもの一式を鞄にしまう。


「じゃあ僕は行くから」


「昨日の包丁のところか?」


「ああ」


「何だ何だ、何かいいところがあったのか?」


 能ヶ谷が追及してきた。


「何か正体不明な刀作りの会に誘われたんだと」


「何だそりゃ?」


「美人な女の先輩2人で細々やっている会なんだと。昨日行ってきたらしい」


「そんな研究会あったか?」


 山崎がそう言ってパンフを調べようとする。


「昨日調べたけれど、そのパンフには載っていなかった。学生会の工房の片隅を借りて、細々やっている感じらしい」


「何だそれ、実在するのか。狸か狐に化かされたんじゃ無いか」


「聟島には狸も狐もいないだろう。惨殺された山羊の亡霊は出るらしいけれどさ」


「何だったら行ってみるか?」


 残念ながら誰も同意してくれない。


「ちょっと怪しすぎるよな。宗教関係じゃ無いか」


「ここ特区は宗教勧誘は厳しいと聞いたぞ。第二期魔女狩りで逃げてきた世代がいるから拒否反応が強いんだと」


「まあ気が向いたら行ってみる。でも俺は自動機械愛好会の方かな」


「出たな変態!」


 どうも一緒に行ってくれる奴はいなさそうだ。

 でもまあ、それでもいいか。


「じゃあな」


 そう言って僕は鞄を持ち歩き出す。


 ◇◇◇


 徒歩2分で学生会の工房に着く。

 見た限りでは、ロビーさんがバイクをいじっているだけ。

 詩織ちゃん先輩も香緒里先輩もいない。

 そう思った時だ。


「お、今日も来てくれたですね」


 いきなり背後から声がした。


 振り向くと、さっきまで気配も何もなかった処に、小柄なツインテール姿が微笑んでいる。

 他でもない詩織ちゃん先輩だ。


「こんにちは。今日もお邪魔していいですか」


「望むところなのですよ」


 彼女はにやりと笑う。


「今日はどうするですか。また包丁をやるですか。それとももう少し大物をやってみるですか」


 確かにそれは望むところだ。

 だが、しかし。


「いいんですか。材料とかも高いでしょうし」


「実は材料は、とある事情でただ同然なのですよ。その分手間はかかっているですが」


「もしいいなら、今度はちょっと本格的なのを作ってみたいです」


 彼女はまた前と同じような笑顔になる。


「望むところなのです。ならこの工房が誇る超・最新刀の世界にご案内なのです」

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