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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第2章 魔女のいる日常

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第33話 釣りに便利な魔法

 船は島から少し離れた沖合で停まる。

 なお、波は結構あるのに船は全く揺れない。

 波の上の空中に静止しているからだけれども。


「それでは、釣り開始!」


 愛希先輩の宣言とともに、4人が仕掛けを海中に落とす。

 海流に合わせて船を動かしているようで、流れはほぼ感じずにルアーは下へと落ちていく。

 そしてちょうど何かの魚群が……でも魚が小さいか。

 そんな事を思いながらリールや竿を操作する。


 と、下に明らかに大きめの魚の魚群が現れた。

 でも僕や典明の仕掛けはまだ魚群よりかなり上。

 そして2年生側の誰かがちょうどいい場所で……


「ヒット! エイダ以外は巻き上げて!」


 僕らはリールで仕掛けを巻き上げる。

 ヒット中は仕掛けを下ろすのは釣れている人だけ。

 魚が暴れて仕掛けがからみまくるから、だそうだ。

 なのでエイダ先輩以外は仕掛けを巻き上げて竿を置き、様子を伺う。


 エイダ先輩は立ち上がって、竿を振りながらリールを巻き上げと大奮闘中。

 かなり魚も強烈に引いている。

 しかも探知魔法で見る限り結構大きい。


 ただエイダ先輩、なかなか上手い感じだ。

 時に糸を出したりもしているけれど、確実に寄せてきている。


 エイダ先輩、こうやって見ていると絵になるな。

 やや浅黒い肌の長い脚としなやかな長身が背景の海とあわさっていかにも、という感じだ。

 そして格闘が始まって3分位。


「そろそろ船を海面近くまで下ろす。波に注意しろよ」


 愛希先輩がそう言うとともに船は少しずつ海面近くへ。

 そして理奈先輩が大きい網を持って待ち構えている。

 エイダ先輩が竿をあおり、白い魚体が見えた瞬間。


「OK!ですわ」


 理奈先輩がそう言うと同時に魚が動きを止めた。

 そして理奈先輩が重そうに網を持ち上げる。


「カンパチですね」


 重さ11.0キロと、レーダー魔法のおかげで僕にもわかる。

 そして魚が何故動かないか、仮死状態になっているかも。


 魚体のほぼ全体が0度位の温度になっている。

 なるほど、理奈先輩の持ち魔法は氷魔法。

 それを使って仕留めた訳か。


 しかもこれなら魚も新鮮なまま運べる。

 だから理奈先輩がヘルプに来た訳だな。


 船が再び波より少し上に移動する。


「さて、次のターンを開始!」


 僕らはまた仕掛けを海へ落とす。

 今度は余計な動きはさせないでより早く深く沈めよう。

 そう思いつつ僕は海中を探索する。


 今の群れは移動してしまったが、周りはまだ色々といるようだ。

 ならとにかく沈めて、それからアクションを起こそう。


 重さのままリールの糸が出ていくのに任せるだけでなく、糸が出る早さにあわせてリールを指で逆に動かし糸を出していく。

 その工夫のおかげで、今度は一番先に僕の仕掛けが底へと到達した。


 その場所で少し僕は待つ。

 そして海底ギリギリで少しずつ仕掛けを動かしているところに、すーっと巨大な姿が……

 来た!


「朗人ヒット!」


 引く引く引く。無茶苦茶に引っ張られる。

 何とか竿を立てて巻いてもすぐ引っ張られてリールが負けて糸が出る。

 エイダ先輩、こんなのと格闘していたのか。

 これは体力を使うぞ。

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