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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第1章 魔女の洗礼

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第18話 実は趣味かつ特技です

「という訳で早速なのですが、お2人のうちどちらかでもいいから料理が得意だと助かるのです。今日は大学は新歓らしくて皆遅くて、戦力が足りないのです」


 詩織ちゃん先輩が僕と典明にそう尋ねる。

 それならば。


「一応両親が共働きだったので、ある程度は」


 実は料理は、僕の数少ない特技であり趣味でもある。


「それは助かるのです。一応メインの刺し身は冷蔵庫に入っているので切るだけなのです。でも汁物とか他のおかずは作らないと無いのです。なお今日は大学生抜きの13人分なのです」


 抜いて13人という事は、通常は何人分作っているんだろう。

 何か恐ろしい気がする。

 というかどういう環境なのだろう、ここは。

 まあでもいいか。


 大人数の料理を作るのは中学時代のキャンプ以来だ。

 でもぱっと見た限り、キッチンの設備はかなりいい。

 若干色々見慣れない形式ではあるけれども。


「何を作るか、献立は決まっていますか」


「任せるのです。冷蔵庫にある材料は何を使っても大丈夫なのです。刺し身も何なら加工していただいて結構なのです」


「ご飯だけはセットするデス」


 キッチンに似合わない筋肉質な大男、ロビー先輩が炊飯釜を開く。

 その炊飯器と内釜の大きさを見て、僕は何故ロビー先輩が炊飯担当をしているか理解した。

 あんな巨大な内釜であんなにご飯を炊くのでは、筋力が無いと米と水入り内釜のセットが困難だろう。

 何合……というか升単位だな、きっと。


「では冷蔵庫を拝見……って冷蔵庫は何処ですか」


 少なくとも一般的な認識にある電気冷蔵庫は見当たらない。


「その右の棚が冷蔵庫なのです。開いてみるのです」


 どう見ても食器棚にしか見えない、作り付け風の食器棚風の扉を開ける。

 すると中は押し入れフルサイズ程度の冷蔵庫。


 こんな巨大な……と思いかけて気づく。

 ここの冷蔵庫は最低13人の食を支えている。

 更にここは離島だから食糧供給が止まることもあるのだろう。


 だから少なくともこの部屋には、これくらい巨大な冷蔵庫が必要なのかもしれない。

 始めて見た超巨大IH電気炊飯器と同様に。


 見たところ刺身用らしい巨大な白身のサクの他にも、豚こま肉とか色々食材は揃っているようだ。

 よろしい、こっちの補給線には問題は無さそうだ。

 とすると後は装備類の確認か。


「このコンロは……というかこれがコンロですか」


 ガスとも違うしIHとも違う、強いて言えばラジエントヒーターが一番近い感じの何かについて詩織ちゃん先輩に聞いてみる。


「魔法仕様のコンロなのですよ。左右はどっちも最大出力20キロワット級で、中央が3キロワット級。火力が強すぎるので適当に調整をお願いするのです。あと鍋はコンロの下に入っているのです」


 火力は中華料理店の強火力コンロ以上か、よしよし。


「わかりました。で、お願いなのですが……」


「何ですか。手伝い要員なら何人でも出すのですが」


 いつの間にか僕がメインで料理する事になっているようだが、それはいい。

 というかむしろ好都合だ。

 なぜなら。


「その逆です。どうも小さい頃から1人で料理をしていたせいか、人と一緒に料理すると怖いとよく言われるんです。こっちとしては鍋や包丁を振り回しているつもりは無いのですけれど。ですから料理中は出来れば離れていただければと……」


 小学校の家庭科での料理実習、中学校でのやはり家庭科、そして中学2年のキャンプの時等全ての料理の時にそう言われてきた覚えがある。

 こちらとしては特に危ない事をしている意識はまるで無いし、思い当たる事も無いのだけれど。


「了解したのです。それではよろしくなのです。あと冷凍品の解凍とか逆に急速冷却とかは担当者が魔法でやるので言ってくれなのです」


 なるほど、よしよし。


「あと今日のメニューに何か希望はありますか。あとアレルギーとか」


「作ってくれれば文句は言わないのですよ」


 よし、その言葉を信じたぞ!

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