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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第1章 魔女の洗礼

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第16話 会場に向けて移動中

「更に詩織先輩は、あの言語道断な魔力増幅具を持っている。あれだけで数十倍の増幅が出来る筈だ。そんな物はそうそう存在する物じゃない」


 まあ僕より詳しい典明が言うんだから確かだろう。

 僕は頷く。


「何となくは理解した。それだけとんでもないのが集まってしまったという訳か」


「世界最大の特区の魔技高専という施設の学生会だ。だからこそ集まってしまったというのも理解できる。そんなのが切磋琢磨していたら更に化け物級になってもおかしくはない。吾輩にもそれもわかるんだ。ただ正直あれだけの力の違う集団にいきなり遭遇すると……冗談じゃ無く膝が震えそうになった。まあもう大丈夫だ」


 何か自分で勝手に話して勝手に納得したような感じだが、そうする事で自分の中の意識なり恐怖なり色々を整理したのだろう。

 ほぼ典明も正常になったようだ。

 そしてもうここは寮の玄関。


「お疲れ様です」


 受付の寮務教官に挨拶をして中に入る。


 ◇◇◇


 学生会室を出て、全員で校門の外へと歩き出す。

 しかし歩きながら思ったのだけれど、学生会って女子ばかりだな。

 男子は僕と典明の他に、ルイス先輩とロビー先輩だけ。


 まあ魔力持ちは女性の方が多いらしいし、魔技高専も魔法工学科以外は女子が半数以上だ。

 補助魔法科なんて、1クラス36人中男子2~3人の世界らしいし。


 まあそうなんだけれど、まわりがほとんど女子というのは慣れないものだ。

 そして今も前が詩織ちゃん先輩、右が沙知先輩。


 というか右横方向沙知先輩近い、近すぎる。

 すぐ横で歩くと手が触れそうだ。

 おかげでいらない緊張をしてしまう。


 典明が一緒に入ってくれたのが大変にありがたい。

 奴がいなかったら女性比率が更に厳しくなる。

 それに知り合い無しの1人でこの女子高専生の群れと対峙するのは心臓に悪い。


 さて、この感じだと、どうやら街の方へ行くようだ。

 街と言ってもでっかい官公庁施設兼商業施設の建物が1つあるだけで、他に店は無いはずだけれど。


 施設の2階の飲み屋でも行くのだろうか。

 でも高校生相当が半数以上なのに、飲み屋というのもまずい気がする。


 あとはこっちにあるのは喫茶店かホテルか。

 ひょっとしたらホテルかな。

 人が少ないシーズンは地元割引があるとか、そういう事かもしれない。


 しかし商業施設横で、先頭は左にと進路を変える。

 ホテルならばまっすぐだったのだが。

 左方向には、他には高級マンションが3棟建っているだけ。

 まさか。


「あのマンションに、学生会の誰かが住んでいるんですか」


「これから行くのは、学生会のスポンサーの会社が持っている保養施設ですね」


 横の沙知先輩が教えてくれる。

 声が近すぎて息が感じられそうな位だ。


「学生会にスポンサーがいるんですか」


 ちょっとドキドキしながら、僕は息がかからないように少し斜め下を向いて沙知先輩に尋ねる。

 午後の食事後も歯磨きしたし大丈夫だよな。

 それにしても流石魔技高専学生会、そんなものまでついているとは。

 確かに少数だが精鋭らしいしな。


「まあスポンサーと言っても魔技高専の学生で、先代の学生会長です。魔法素材の開発に成功して継続的に大金が入るようになったのですけれど、その分忙しくなったり税金対策が大変だったり。それで学生会でバイトとして手伝う代わりに、色々便宜を図って貰っています」


 沙知先輩がちょっと特徴的な低い声で説明を補足。

 いや、凄い人がいるものだ。

 保養施設って、いったいいくらかかったのだろう。


 まあ詩織ちゃん先輩のように四千万円級の工作機械を私物で持っている学生もいるし、案外裕福な学生も多いのかもしれない。

 うちは一般サラリーマン家庭以外の何物でも無いけれど。

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