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右も左も魔女ばかり ~離島の魔法特区にある高専に入学した僕の想定外な日々~  作者: 於田縫紀
第1章 魔女の洗礼

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第14話 怪しいお誘い

「でも今の攻撃魔法科は、正直軟弱だ。正直5年の蒲田先輩位だ、往年のレベルと比較できるのは。奈津希先輩や世田谷先輩のような怖い人が今はほとんどいない」


「それはルイスが強くなりすぎなのですよ。今のルイスは、往年の万能(オールラウンダー)や黒魔女レベルに達しているのです。その基準で他の相手を見たら可哀想なのです」


「それを詩織から聞くと複雑な気分になるな。今でも全力の詩織とやって勝てる気はしない」


「今は五分五分位なのですよ」


 また変な会話をしている。

 万能とか黒魔女とかは、話の流れから卒業した最強レベルの先輩だろうと想像つく。

 でも詩織ちゃん先輩は魔法工学科。

 攻撃魔法という分野では無い筈だ。

 それで互角とか勝てる気がしないとかは……


 でもそう言えば、模擬試合も詩織ちゃん先輩無しで対等とか言っていたな。

 とすると詩織ちゃん先輩、実はとんでもなく強いのか。

 そんなイメージはないけれど。


 この件については、あとでこっそり誰かに聞こう。

 そう思ったら、また話が別の場所へ飛んでいく。


「あと学生会には研究会じゃないけれど、広報班もあるんですよ。別名漫画文芸班。これについては後で活動を見せてさしあげますね」


 綱島沙知先輩だな、今の人は。

 しかしそんな物もあるのか。

 学生会、工作に戦闘に文芸にと守備範囲が広いな。


 というか皆で好き勝手やっているというのが正しいのか、きっと。

 まあその辺の謎はおいおいわかっていくだろう。


「そう言えば今日は金曜ですが、2人はどうするのですか」


 詩織ちゃん先輩がそんな事を言う。


 金曜ですが、って何だ。

 そう思ってルイス先輩を見ると、何故か顔を引きつらせている。


「あれは他の研究会も回って、うちに落ち着いたと確定してからでいいんじゃないか」


「でも5月までは仮とは言え、ちゃんと入ったんだからもういいと思います」


 あ、会長と副会長の意見が分かれた。

 それにしても何の事だろう。


「何か怖い儀式でもあるんですか」


「普通に夕食をみんなで食べて騒ぐだけなのですよ」


 ここで詩織ちゃん先輩の言葉をそのまま信じてはいけない。

 僕はそんな予感がした。

 でも今ルイス先輩に聞くのは、何か申し訳ないというか気がひける。

 理由は不明だけれど、そう感じるのだ。


「何か変な入信儀式とかは無いですよね」


 ルイス先輩は答えない。

 代わりに愛希先輩が答えてくれる。


「まあ最初はちょっとカルチャーショックあったかな」


 えっ???


「私は特に問題ないと思いますわ」


 これは理奈先輩の意見。


「私も同意見です。後で色々参考にもなりますし」


 これは沙知先輩だ。

 何があるんだか全くわからない。

 皆肝心な事を言わないようにしているみたいだし。

 と、ソフィーさんがパンパン、と両手を叩いた。


「意見が分かれたようですので、副会長権限で多数決をとりまーす。新人の朗人君と典明君を今日の集会に呼ぶべきだと思う人は挙手願います」


 僕と典明、そしてルイス先輩を除く全員の手が上がる。


「多数決で本提案は可決されました」


 何かルイス先輩の疲労の色が濃くなったように感じた。

 これは僕の気のせいだろうか。


「じゃあ2人はこれから寮に帰って、タオルと明日用の着替えをもってここに戻ってきてくれませんか。今日はこの部屋を5時半に出て皆で向かいますから」


「宜しくお願いなのですよ」


 うーん、これは今のうちに逃げた方が正解なのだろうか?

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