満たされた欲望。
またしても魔族の暗躍だった。
「いつから入っていた?」
「さあて、いつ頃かは分かりかねますな。もしかしたら、10年以上前かもしれませんね。」
「貴様!」
「それにしても此所は素晴らしい。廃都と化して時が過ぎているのに、未だに悲哀や怨嗟の残留思念が濃く漂っている。」
「当たり前です。あれ程の犠牲者が出たのですから!」
「……クリス。」
「それで、貴様はどうするつもりだ?」
「それはこうするのです。」
そう言った瞬間、マルサバーと名乗った魔族は、右手を上に伸ばし掌を上に向ける。
すると、掌の上に大体10cmくらいの黒い球体が現れ、周りに無かった筈の黒い霧を吸収し始めた。
「セツナ。周りの嫌な感じが減ってきたー。」
「まさか!?」
「ええ。そのまさかです。そして、今、終わりました。」
そして、黒い球体はどんどん小さくなっていき、2cm程に縮んだソレをマルサバーは、……呑み込んだ!?
そして、外見がより禍々しくなっていた。
「ふふふ、あははは、くはははは。素晴らしいです! 力が、力が溢れてくる様です。あれ程のいつも感じていた飢餓感が無くなっている。私は、今、満たされた!
……さて、この後、世界を蹂躙する前に貴方達に選択させてあげましょう。」
「選択?」
「そうです。1つ、今すぐ此所から逃げ出すのです。その場合は貴方達を滅ぼすのは最後の方にしてあげますよ。その最後の時まで、生を謳歌すると良いでしょう。
もう1つは、愚かにも此所で抵抗して、無駄に命を散らす事です。無能な貴方達でも、どちらを選ぶべきか、お分かりでしょう?」
「そうだな。分かりきっている。」
「そうでしょう。」
「……セツナ。」
「全く馬鹿げた選択だ。そんなの決まっている。それは……」
「それは?」
「それは、貴様を倒す!!」
「……セツナ!」
「お、愚かな。余りに愚か。信じられません。折角、少しでも生きていられる選択肢を出したにも関わらず、こんな愚かな選択をするとわ。どうやら、こんな愚か者には私の慈悲は理解出来ない様ですね。……良いでしょう。それほどの愚か者を生かす理由はありません。これより始まる私の栄光の道への、最初の土台になって貰いましょう!」
「クリス、ヴィーザー! 此所は危険だ! 離れるんだ!! 皆、行くぞ!」
「はい!」×9
「行っくよー! 疾っ! 桜花烈光槍撃!」
「グハッ!?」
「行くぞー! 月牙裂風爪!」
「ギぃあ!」
「喰らいなはれ! 烈火紅蓮槍!」
「ギャアー! そんなモノ、私には通用しない!」
「ミヤ、危ないであります。金剛障壁」
「ありがとう、セレンはん。」
「砕け散りなさい! 凍獄双連斬!」
「ガァ!」
「叩き切るだ! 付与、雷帝金剛戦斧! 破っ!」
「ゴガァ!」
「次は私の番ね。混成精霊魔法、雷刃竜巻!」
「ギィー!」
「平伏すのじゃ! 多重拘束連鎖!」
「重い鎖が、う、動けない!?」
「皆の無念。思いしれ! 薔薇乃散華!」
「ギャアーーー! わ、私は、え、栄光の……」
「分かっている。貴様の様な奴程、しぶといからな。
付与、審判乃轟雷。」
「な、な、な……」
「神罰を降す! 雷皇閃斬『神威』、破っ!」
「ギャアーーー!!」
「止めだ! 付与、竜滅閃光覇。」
「わた……、えい……、み……」
「絶望を知れ! 神皇滅斬『天威』、覇っ!」
「栄光……」
マルサバーは、黒い灰となり、霧散した。
「……ふう。この国の無念はこれで晴れた!」
「セツナ、いえ、セツナ様。ありがとうございます。」
「クリス。今になって様付けは無いよ。」
「いいえ。友人であると同時に、この国の未来を切り開いた方ですから。」
「分かったよ。……イリス。これで良いか?」
「うん。うん。ありがとう、セツナ。」
「皆もお疲れ。」
「セツナ様、あの様な上級魔法を付与し、連続で放つとは。」
「リン。俺だって、頑張らないとな。」
「セツナー。ランも頑張ったー。」
「うん。ランも頑張ったな。」
「やったー。セツナが誉めたー。」
「セツナ殿の連撃、凄かったであります。」
「ありがとう、セレン。」
「セツナはん。凄かったで。」
「ミヤもな。」
「セツナ君、凄かった。」
「リーナの頑張りのお陰だよ。」
「セツナ、誇らしいのじゃ。」
「もっと頑張るよ、シャオ。」
「セツナ、アタイ、もっと頑張るだ!」
「ああ。レイカ、期待している。」
「長編ファンタジーアニメのラストバトルみたいだったよ、刹那兄さん。」
「あの時から。2次元の英雄に憧れたから、出来る様に女神様にお願いしたんだよ。」
「良かったね、刹那兄さん。」
「さて、アルスランに帰ろう。」
「はい。」×9
「セツナ様。帰りましょう。」
「クリス、そうだな。」
俺達は待ちぼうけをしていて不機嫌なアンスラ達を宥めて、皆でアルスランにダンジョン転移した。
オークション会場の代表の部屋に移動した。
「どうでしたかな、クリスティーナ王女殿下。」
「はい。私の中で燻っていた不安は解消されました。」
「それはようございました。」
「ええ。セツナ様やイリス、パーティーメンバーに感謝の念が絶えません。」
「ああ。僕も同じ気持ちだ。」
「そうね。ヴィー。」
「それじゃあ、皆、頑張ったし、色々な意味で宴会だー!」
「おおー!」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。
前話にネタが混じっています……




