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新たな問題。

次の問題は?


 あれから3日間で、「女神の短杖」の行方不明になっていた件の根回しが終わった。

 今日は「女神の短杖」奪還の祝いのパーティーを開く事になり、俺達はそれに協力したという形でこの国の貴族に紹介する事になった。


「皆の者。今日はよく集まってくれた。今日は『女神の短杖』を見つけ出し、取り戻す事が出来た事を細やかながら祝いたいと思う。皆も楽しんで欲しい。そして、この者達が今回の件での立役者だ。」

「初めまして。東の大国オウカの第3王女リーナ=イバス=キリュウです。」

「初めまして。俺も同じく東の大国オウカの大公ローザリア=フォン=ロレンツオを義母に持つセツナ=フォン=ロレンツオです。そして、隣りにいるリーナ王女殿下とは婚約者です。俺達の後ろに居るのは冒険者としてやって行く中で俺達の大切なパーティーメンバーです。左からリン、ラン、セレン、ミヤ、シャオ、レイカ、イリス、リオンです。」

「先程もセツナ殿が少し触れたが、この者達は冒険者としても活動をしておる。その力を持って『女神の短杖』を見つけ出し、取り戻してくれた。国王として、感謝を述べよう。さあ、堅苦しい挨拶は終わりだ。祝いの席を楽しんで欲しい。」


 と、国王は言っているが、向かってくる貴族の挨拶が終わらないと俺達の自由時間は無いけどな。


 名前も顔も爵位も覚えられないまま、貴族の挨拶は終わり、俺達はやっとの自由時間を過ごしている。

 まあ、自由時間と言っても突発的に貴族が押し掛けて来るんだけどな。

 しかし、根回しと言っても3日で全ての貴族に連絡が行き届いているのだろうか?

 これがフラグにならなければいいな。

 あ!? また、貴族が押し掛けて来る。


「失礼するよ。」

「え~と……」

「ああ。流石にこの場に居る全ての貴族の名前と顔と爵位を覚えるのは不可能でしょうな。私にも無理ですな。では、改めて自己紹介させて頂きましょう。私はイーキガル=カンチ=ガーイヤロウと言います。爵位は伯爵を賜っている。」

「初めまして。ガーイヤロウ伯爵。」

「いや、素晴らしい功績だ。我が国の至宝『女神の短杖』を見つけ出し、取り戻してくれたのだからな。それで本題だが、私には年頃の子供達が居るのだが、正室は無理でも、第2夫人、いや、側室でも構わぬ。どうだろうか?」

「申し訳ありませんが、その手の話は全てお断りしていますので。」

「そうか。なら、後ろに居る者で私の息子に嫁がないか?

 流石に正室は無理だが、側室であったとしても、危険な冒険者を続けるよりかは、裕福な生活を約束するぞ。どうだ?」

「申し訳ありませんが、彼女達と今後、離れるつもりはありませんので。」

「そうか。それは残念だ。今後、気持ちが変わればいつでも来なさい。歓迎しよう。」

「それではまた。」


「……ふん。薄汚い冒険者如きが!」


 小声で言ったつもりだろうがしっかり聞こえたからな。

 お前の(つら)と名前と爵位はしっかり覚えたからな。


 こうした下心満載の婚活活動(おしつけ)をする貴族を捌きながら、第2王女シルフィナ殿下と楽しい時間を過ごして何とか不利な言質を取られる事なく終了した。


「女神の短杖」奪還パーティーから数日が過ぎるけど、まだ帰れない。

 この国の体面上はもう数日は王宮に居なければならないのだけど、今日まで5組の貴族がアポ有りで来たが、まともなのは1組だけ。

 しっかりと、国王にはティムさん経由で、この5組を伝えてある。

 ゴミな4組は落ちぶれるがいい!

 まともだった貴族さん。勝ち組へようこそ。

 さて、今日最後の訪問者の貴族で、名前がえ~と、イーツスン=サキハ=ヤーミデシ侯爵か……

 あ~、早く来て、早く終わらないかな~。


「セツナ様。ヤーミデシ侯爵が参られました。」

「分かった。通してくれ。」

「はい。畏まりました。」

「面会の許可を頂き感謝する。」

「ようこそ。お出でくださいました。イーツスン=サキハ=ヤーミデシ侯爵。」

「今日はセツナ殿やリーナ王女殿下に良い話をお持ちしました。」

「どの様な話でしょうか?」


(絶対に録でもない話だ。)


「今日は、セツナ殿の後ろに居る役立たずな女冒険者を引き取りに来ました。」

「……はっ!?」


(今、何て言った!?)


「今まで大変だったでしょうな。役立たずな女冒険者で遣り繰りするのは。勿論、只でとは申しません。代金を用意しました。これで屈強な男性冒険者を雇い、護衛に当たらせては如何ですか?

 更に、もし宜しければ我が家の者を数人差し出しましょう。必ずやお役に立てる事を保障しますよ。」


(今直ぐにこいつを生き地獄に送りたいが、俺達はオウカの代表だ。我慢しないと……)


「先程のは、本気で言ったのでしょうか?」

「勿論です。」

「無知は愚か者とは良く言ったものだな。」

「セツナ殿。どういう意味ですかな?」

「言った通りの意味だが。」

「ご自分の立場が良く分かっていない様ですな。」

「そちらこそ、俺の婚約者が何処の者か忘れている様だな?」

「ふん。大国と云えども、交渉でどうにでもなるわ。」

「彼女達の素性も調べずに良く言えたものだな。

 もう一度言うぞ。無知は愚か者だとな。」

「役立たずな女冒険者の素性だと? どういう事だ?」

「なら、盗賊よりも下に堕ちる前に教えてやるよ。」






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