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問題解決。でも別の問題が……

問題が解決したけど、別の問題が発生した。

「皆様、良く無事に帰ってくださいました。」

「もしかして、ずっと待っていたのですか?」

「いいえ。先程、来たばかりです。」

「シルフィナ様。嘘はダメですよ。皆様が行ってから殆ど、此所を離れ無かったのは誰ですか?」

「キュレ、それを言ったらダメ!」

「シルフィナ王女殿下。ありがとうございます。」

「い、いえ。私の責任ですから当然です。」

「……」×9

「どうした、皆?」

「何でもありません、セツナ様。」

「そうか。さて、問題は解決しました。報告をしたいので、手配をお願いします。」

「分かりました。」


 何か、心なしか浮かれている様に見えたけど、女神の短杖が取り戻せたからだろうな。


「セツナ殿。それは違うであります。」

「そうだよ、セツナ君。」

「セツナ様。もうこれ以上、『お嫁さん』を増やしませんよね?」

「当たり前だ。増やすつもりはないよ。」



 少し皆と話していると、シルフィナ王女殿下とティムさんが来て、前に使った応接室で待つ事になった。


 ……応接室で待つ事、1時間後に国王や王妃に宰相が入って来た。


「待たせてすまない。」

「いえ。むしろ、無理をさせたんじゃないかと心配です。」

「大丈夫だ。皇太子に擦り付けて来た。」

「私も皇太子妃にお願いしてきました。」

「わたしも息子に押し付けてきました。」

「皆さん。本当に無理しなくても良いですよ?」

「何を言う。今のこの国で、『女神の短杖』は最優先事項だぞ。」

「そうですわ。」

「そうですとも。」

「わ、分かりました。これが『女神の短杖』で間違いはありませんか?」


 俺は、マジックバッグに入れていた「女神の短杖」をテーブルに置く。


「確かにこれは、『女神の短杖』だ。」

「ええ。そうです。」

「良かった。これで国の体面が保てる。」

「偽物でなくて良かったです。」

「所でセツナ様。」

「何でしょうか、宰相殿? それに『様』?」

「ええ。シルフィナ王女殿下から聞きました。それでですが、他に何か有りましたか?」

「はい、残念ながら。」

「残念とはどういう意味でしょうか?」

「大変、言い難いのですが、下のダンジョンをどうやら、魔王崇拝者に利用されていた様です。」

「何ー!?」×国王、宰相

「本当ですか?」

「はい、王妃様。これが証拠です。」


 俺は施設に有った書類を全て出した。


「……確かに、これ等は……」

「魔王崇拝者に関わる書類ですね。」

「……宰相よ。」

「はい、分かっております。静かに水面下で捜査して、計画的に掃除します。」

「頼むぞ。」

「それでは、国民への報告はお任せします。」

「セツナ殿。本当に感謝している。」

「セツナ様。本当に感謝しているわ。」

「セツナ様。本当に感謝しかありません。」

「いえ。こちらも単に暗い空気が嫌だっただけですから。」

「宰相。」

「はい。これは少ないかもしれませんが、感謝の気持ちです。受け取ってください。大金貨30枚入っています。」

「分かりました。これは受け取ります。」

「えらく、すんなりと受け取りましたな?」

「いえ。此所でごねると追加報酬が出るので。」

「確かにそうだな。」

「……っ、お父様! いえ。国王陛下!」

「どうした、シルフィナ?」

「国の大事に金銭だけのお礼だけでは、足りないと思います。今回の『女神の短杖』を奪われた責任が私には有ります。だから……」

(この流れはヤバい。)

「私が責任を取って、セツナ様に、と、嫁ごうと思います。」


 あら~。シルフィナ王女殿下、真っ赤になって。

 頭から湯気が出てるのが見える様だ。

 さて、どう断わるかな。


「セツナ殿。シルフィナはこう言っておるが?」

「シルフィナ王女殿下の責任感の強さは素晴らしい事だと思いますが、それとシルフィナ王女殿下との婚姻は別の話だと思います。それに……」

「それに……、何でしょうか?」

「俺には共に歩む者達が後ろに居ます。そして、俺は冒険者でもあります。」

「そうであったな。シルフィナ。セツナ殿に嫁ぐのはある意味では、『逃げ』といえる。辛いだろうが……」

「……はい。分かりました。国王陛下にセツナ様。浅慮な申し出でした。」

「いえ。俺を想う気持ちは嬉しく思いますが、それはシルフィナ王女殿下の為にはならないと思います。」

「……はい。」

「それでは、俺達は此所を去りたいと思います。」

「セツナ殿。それは分かってて言っておるのか?」

「……やっぱり駄目ですか?」

「まあ、1週間程だ。ゆっくりされよ。それに、シルフィナの申し出を受けろとは言わんが、せめて、友人になってくれぬか?」

「……分かりました。」


 後ろを見ると皆が頷いていた。


「ティム。皆さんの部屋をご用意しろ。」

「畏まりました。」


 まあ、これが貴族が背負う責任ってやつだな。

 俺とリーナがするべき仕事でもあるしな。

 外交は大事だからな。

 ……はあぁ。また、言質を取られない様にしながらの腹の探り合いが待っているのか。

 ほんと、これだけは慣れんわ。

 前世の様に「その件に関しては社に持ち帰って関係者と検討したいと思います。」が、使えないからなぁ。

 こうして、今日は疲れているだろうという事で、のんびりする事が出来たが、まだ問題が有る事をこの時の俺は知らなかった。




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