表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

262/511

第2王女殿下。

元気だった王女殿下が塞ぎ込んだ理由は?

此方(こちら)が第2王女殿下の自室です。」


 俺達を少し離れた所で待たせて、ティムは第2王女殿下の自室の扉の前に行く。


「ティムです。第2王女殿下にお会いしたい方々をお連れしました。」

「少しお待ちください。」


 扉の向こうから女性の声が聞こえた。


「お会いになるそうです。」

「それでは第2王女殿下、失礼します。」


 中に入るとまだ昼前だというのに、窓は閉めており、灯りも最低限だった。

 内心は寝間着では無い事に安堵しながら、第2王女殿下を観察する。

 灯りが弱いから今一分からないけど、それでも顔色は余り良くないように見える。

 これはやはり、女神の短杖が行方不明なのを憂いているだけじゃあ無いだろうな。


「ティム。この方々は?」

「第2王女殿下。此方の方々は、国王陛下に『女神の短杖』の捜索を依頼された者達です。」

「初めまして、第2王女殿下。俺達は国王陛下に『女神の短杖』の捜索を依頼された者です。」


 第2王女殿下を見ていたが、女神の短杖と捜索の依頼の所で僅かだが反応が有った。

 予想が当たっていた場合は出来るだけ、バレないように穏便に解決しないとな。


「そうですか。では改めて自己紹介するわ。私はムルシーアの第2王女シルフィナ=サイラ=ムルシーアです。この様な見苦しい姿で申し訳ありません。」

「そんな事はありませんよ。予め訪問の約束をせずに突然、押し掛けたのですから、此方こそ、非礼をお詫びします。」

「そのとおりです。」

「貴女は?」

「挨拶もせず、申し訳ありません。わたしは第2王女シルフィナ=サイラ=ムルシーア殿下の専属侍女のキュレと申します。」

「さて、『女神の短杖』の捜索をするにあたり、事実確認をする必要が有ります。俺達の質問に事実を話して頂ければ良いのでお願いします。」

「……分かりました。」

「それでは質問します。『女神の短杖』が行方不明が判明した当日に、理由は問わず宝物庫に行きましたか?」

「いいえ。」

「侍女のキュレさんは?」

「わたしはシルフィナ王女殿下の専属ですので、シルフィナ王女殿下が向かわれていないので、わたしも『いいえ』です。」

「では、その行方不明げ判明した日から1ヶ月前まで(さかのぼ)ってはどうですか?」

「……その場合ですと、その日から10日前と3週間前に宝物庫の前を通り過ぎました。」

「わたしもその時も追従していたので事実です。」

「セツナ君。アレを使った方が良いんじゃないかな?」

「まあ、可能性の1つを潰す必要は有るな。」

「何をするのでしょうか?」

「侍女のキュレさん。」

「はい。」

「果物ナイフは有りますか?」

「はい。有りますが……」

「それをティムさんに渡してください。」

「分かりました。」


 侍女のキュレさんが、果物ナイフをティムさんに渡す。


「それでは、これから行う事を説明します。俺達のパーティーメンバーの数人がシルフィナ王女殿下とキュレさんにとある検査系の魔法を掛けます。何もなければ良いのですが、万が一、問題が発生すれば、後々に大変な事態になりますから、まだ軽い内に対処する必要が有ります。シルフィナ王女殿下、宜しいでしょうか?」

「そんな事、認められる訳がありません。」

「当然だと思います。ですから、俺達の持つ身分を明かします。」

「私は東の大国オウカの第3王女リーナ=イバス=キリュウよ。これが証の短剣と身分証よ。」

「確かに本物ですね。」

「俺も同じく東の大国オウカの大公ローザリア=フォン=ロレンツオを義母に持つセツナ=フォン=ロレンツオで、これが証の短剣と身分証だ。そして、俺達全員がアルスランのCランク冒険者だ。」


 俺達全員がギルドカードを提示する。


「どうですか、ティム?」

「確かに本物です。」

「さて、ご覧の通り、身分を開かす事で信じて欲しい。」

「いや、しかし、それでも……」

「ここで、ティムさんに渡した果物ナイフを使う。ティムさんは、魔法に因る検査が終わるまで、その果物ナイフを俺の首筋に突き立ててくれ。もし、2人に何らかの被害が有った場合は刺して構わない。ただ、検査に引っ掛かった場合は、口から、黒い液体を吐き出す事になる。」

「分かりました。キュレ、ティム。彼らを信じましょう。」

「シルフィナ様!」

「良いのです。」

「分かりました。」

「それでは、シルフィナ王女殿下とキュレさんはお互いに手が届く距離に近付いて欲しい。……そう。そのまま動かない様に。リーナ、シャオ。頼む。」

「任せて。」

「任せるのじゃ。」


 う~ん。首筋に当たる果物ナイフが冷たいなぁ。

 結果は、残念ながら当たりだった。

 シルフィナ王女殿下の口から黒い液体を吐き出して消滅した。

 因みに、シルフィナ王女殿下が苦しみだした瞬間、ティムさんの持つ果物ナイフがちょっぴり刺さっていました。

 ちょっとチクッとしたよ。


「シルフィナ様にこんなモノが潜んでいたなんて……」

「ティムさん。もう良いのでは?」

「念の為、もう少しこのままにします。」

「……ソウデスカ。」

「それでこの黒い液体の正体は?」

「魔族です。先程の魔法は身体の中に居る魔族だけを討伐出来る魔法です。」

「……そうですか。やはり、アレは夢では無かったのですね。」

「シルフィナ様。どういう事ですか?」

「全てをお話します。その日は『女神の短杖』が行方不明だと判明する3日前の夜になります。」



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ