事前調査。
元気な王女殿下の「今」は?
俺達は今、案内された王宮の応接室に通され待っている状態だ。
暫く待っていると、応接室の扉をノックしてきたので「どうぞ。」と言うと、入って来たのは多分、国王と王妃に王女と宰相かな?
「お待たせして申し訳ない。どうぞ、座ってくだされ。」
俺達は指示に従い座り、相手も対面に座った。
「儂らの方から自己紹介をしよう。儂がこの国の国王をやっている『ジャスティ=サイラ=ムルシーア』だ。」
「私は王妃の『ヴィクミア=サイラ=ムルシーア』よ。」
「私は第1王女『グレイシス=サイラ=ムルシーア』で、皇太子は国王であるお父様の仕事を押し付けられて、執務室に閉じ籠られていますわ。」
「これ、言わんで良い事は言わなくて良い。」
「あら、そうですの? 国の大事について話し合うのに、国王と王妃が揃っているのに、その次が皇太子では無く、第1王女が来れば怪しまれると思って説明しましたのに。」
「事情は分かりました。残りのそちらの方は?」
「わたしはこの国の教会で司祭をしている『ハミット』と申します。」
「自己紹介、ありがとうございます。次は俺達の自己紹介をします。東の大国オウカの大公ローザリア=フォン=ロレンツオを義母に持つ『セツナ=フォン=ロレンツオ』で、Cランク冒険者です。横にいるのが……」
「初めまして。東の大国オウカの第3王女『リーナ=イバス=キリュウ』です。
横に居るセツナとは正式に婚約をしています。」
「後ろに居るのが大切な同じ冒険者パーティーのメンバーです。」
「さて、まどろっこしい話は抜きにして、本題に入りたいが良いか?」
「構いません。」
「うむ。もう既に国中に広がっている国宝『女神の短杖』が行方不明の件についてだ。」
「俺達もこの国に立ち寄ってみれば、誰もが知っている話になっていて、無視出来ないと思い、冒険者ギルドに面会のお願いをして貰いました。」
「その申し出は嬉しく思うぞ。」
「それで、いつ頃に行方不明になったのでしょうか?」
「実は、行方不明になったのは1ヶ月前からで、今の所は手掛かりが無い状態だ。」
「そういえば、この件が関係が有るか分かりませんが、第2王女殿下も自室に塞ぎ込んでいるとか……」
「そうなのよ。あんなに元気だった子が塞ぎ込んでいるのは辛いわ。」
「もし、お許し願えるのなら、第2王女殿下にもお話をお聞きしたいと思いますが宜しいでしょうか?」
「そうしてくだされ。」
「では、司祭のハミット殿にお伺いしたいのですが、宜しいでしょうか?」
「どうぞ。」
「普段は『女神の短杖』は、何処に保管していますか?」
「普段は、国の宝物庫の奥に部屋が有り、その部屋に安置しています。」
「その部屋に入れる人物は?」
「それは、儂が説明しよう。宝物庫と奥の部屋に自由に入れる人物は、儂と王妃、3人の子供達で、予め申請する事で入れる人物が、そこに居る司祭のハミット殿。此所に居ない、儂の父母である2人の大公、それに宰相に各大臣、近衛騎士団長が入る。」
「結構な人数ですね。」
「だが、持ち出すとなると話は別だ。その場合は、儂か王妃、宰相と司祭ハミットの3名が記入された書類が要る。更に、宝物庫から出る時に外で待機している宝物庫専属の門番に因る身体検査が有る。これは儂であっても拒否出来ぬ。国法で定めているからだ。」
「聞いた限りでは、行方不明になりようがありませんね。」
「そうだ。それ故に未だに見つからぬ。」
「それでは、聞きたいことは粗方済みましたので、第2王女殿下にもお話をお伺いしたいと思いますので、誰か案内をしてくれる方を付けて頂きませんか?」
「分かった。儂らもそろそろ戻らねばならぬ。1人付けよう。今後はその者へ通してくれ。」
「分かりました。」
「誰か。」
「はい。」
「『ティム』を呼んでこい。」
「畏まりました。」
「その『ティム』というのは?」
「此所だけの話。儂ら王家が頭が上がらぬメイド長の娘だ。次期メイド長でもある。」
「何処の国でも、そういう人が居るのですね。」
「分かってくれるか、リーナ王女よ。」
「ええ。私の国にも居ますので。」
「それは有名なあの……」
「そうですわ。」
「お互い頑張ろうぞ。」
「ええ、頑張りましょう。」
暫く経つと1人の厳しい表情の若いメイドが入って来た。
「お呼びに参りました。」
「うむ。そなたには、此方の方々の案内等をするように。」
「畏まりました。」
「では、あとを頼みましたぞ。」
「何処まで出来るか分かりませんが、最善を尽くします。」
応接室に残ったのは、俺達とメイドのティムだけになった。
「初めまして。俺達は『女神の短杖』の捜索を国王に依頼された者だ。宜しく頼む。」
「初めまして。国王陛下の御命令で案内の任を仰せつかまつりました『ティム』と申します。なんなりと申しつけ下さい。」
「早速で悪いけど、宝物庫に案内して欲しい。」
「畏まりました。では、付いて来てください。」
俺達はティムさんの案内で宝物庫に到着した。
「これはティムさん。どうして此所に?」
「私は国王陛下の御命令で此方の方々の案内の任をしています。」
「俺達は国王に『女神の短杖』の捜索を依頼された者だ。」
「話せる事は全て話したぞ。」
「ああ。正直、面倒くさいかと思うが話して欲しい。」
「分かった。と言っても『女神の短杖』が行方不明だと分かった時、少なくとも前に確認してからその時まで、誰も怪しい者は居なかったし、手続きを踏んだ者であってもきちんと身体検査をした。それに王妃様や王女様の様に女性も居られる為、我らは必ず、男1人、女1人で門番をしている。男が王妃様や他の女性方に触れる訳にはいかないからな。当然、その逆もな。」
「ずっと2人だと無理だろう。その辺りは?」
「勿論、その辺りも抜かりは無い。きちんと交代要員も居るし、交代の際はお互いに身体検査をしている。なんせ、我らが不正を犯した場合は、我らだけでは無く、一族郎党全員が死刑だからな。」
「分かった。仕事の最中に済まなかった。」
「ああ。必ず見つけてくれ。」
「分かった。では、ティムさん。第2王女殿下に面会したい。」
「畏まりました。では、付いて来てください。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




