五つの角。
セツナは無事に八門を突破出来るのか?
この階層の位置関係は、後ろに上への出入口。
その出入口を背に、前方にはテニスコート2つ分の広場と囲む様に設置されている石像8個と中央に『社』の様な小屋。
その向こうに8個の進路。
「う~ん。どうやら、見える所だけを調べても手掛かりも無いか。」
「やっぱり、日本人的な探し方をしないといけない訳よね。」
「そうだろうな。でなければ、犬や狐とかの石像を置いている訳が無いからな。」
「それに、『社』ッぽいモノが有るしね。」
「後、石像には、剥がせない様にしてある『鏡』も付いているしな。」
「石像は動かせないけど、向きは変えれるみたいであります。」
「……確かに、他の7ヶ所の石像も動かせないけど、向きは変えれるみたいだ。」
「……8個の石像、……鏡、……八門、……!?」
「セレン! イリス! 天井近くまで飛んで、石像の位置を確認してくれ。」
「了解であります。」
「分かったよ。」
俺は天井近くまで飛んで確認してきた、セレンとイリスに問い掛ける。
「どうだった?」
「小屋を囲む様に立っていたけど、殆ど『丸型』であります。」
「イリスも同じか?」
「うん。ボクも同じ意見だよ。」
俺はこういう時の為に、筆記用具と紙を出して、図形を書いた。
紙に八角形と中央に小屋を。
「こうなっていなかったか?」
「そうであります。」
「そうだよ。」
「刹那兄さん。これに『鏡』を加えると2パターン有るよね。」
「そうだな。ただ、『社』に全ての『鏡』を向けるというのは、可能性としては低いと思う。」
「じゃあ、『鏡』の『反射』だよね。」
「多分……な。だけど、『反射』だと、更に分岐が2パターンになる。」
「そうね。『繋げる』か『最後を社に向ける』か、よね?」
「ああ。とりあえず、やってみるか。」
俺達は手分けして、石像の向きを変更した。
「じゃあ、リーナ。やってくれ。」
「いっくよー! 光乃帯。」
途中、何度か微調整を繰り返した結果、「繋げる」が正解だった訳だが、前世の物理法則とかを無視したファンタジーな展開が始まった。
光乃帯が8個の鏡に全て繋がった瞬間に、8個の鏡から別の光が天井の社の真上に収束すると、その収束点に鏡が出現して、収束された鏡からの光が社に繋がる。
すると、社から重低音な地響きが揺れと共に聞こえて来た。
暫く経つと収まったから、リーナに光属性魔法を止めて貰って、社を見ると、中に階段が出現していた。
「やったわー。」
「良し! 九門目が出たぞ! 皆、行こう!」
「はい。」×9
社からの階段は思っていたよりも長かったが、降りると日本の神社とか境内を連想する様な景観が広がっていて、奥には神社的な建物と、その前に5匹の『鬼』が立っていた。
近づくと、
「ようこそ。我等が領域『役行者の社』へ。」
「初めまして。俺達は先に進みたい訳だが、どうすれば良い?」
「先に進みたいのであれば、我等と一対一で戦う事だ。」
予想通りとも云える答えが返って来たが、その後、驚愕の続きが伝えられた。
「但し、此処で我等に勝ち、先に進んだ場合は、此処で我等と戦った者はこの先の戦いに参加出来ぬ。我等と戦う者は慎重に選ぶのだな。」
「全勝が条件か?」
「無論だ。」
「戦う者を決めたい。時間が欲しい。」
「待とう。」
俺達は少し離れて相談した。
「誰が出るか、だ。」
「セツナ様は最高戦力なので除外です。」
「そうだな。後、この次の戦いを考えるとレイカも除外だな。」
「セツナさ、どういう意味だ?」
「今回はある意味、レイカが中心だったり、鍵だったりするからな。」
「そうね。この次の戦いに私達に立ちはだかる『鬼』を考えるとレイカの攻撃力は必要だわ。」
「分かっただ。」
「後、次の戦いは、恐らくパーティー戦の可能性が有る。」
「そうね。2対2か、3対3が有力ね。」
「そうなると、3対3の可能性を見越して、シャオも除外だな。」
「分かったのじゃ。」
「後2人だけど、パーティー戦を見越してという意味なら、リーナも除外だな。」
「分かったよ。」
「後1人を……」
「私が抜けるよ。」
「良いのか、璃音?」
「うん。知識が有る者を残した方が有利だしね。」
「分かった。」
「リン、ラン、セレン、ミヤ、イリス。頼む。」
「はい!」×5
俺達は5匹の鬼の前に移動すると、
「決まったぞ。」
「ならば、始める。我等からは、土鬼が出る。」
「こっちからは、イリスが出る。頑張れ、イリス。」
「ボク、頑張るよ。」
「イリス。樹木魔法が鍵だ。」
「分かったよ。」
「用意は良いな?……始め!」
2人の戦いは最初、様子見から始まった。
だが、次第に激しくなっていき、一進一退を繰り広げるが、イリスが動いた。
「そこ! 生命乃息吹!」
「何!? 身体から植物が……、力が抜ける……」
「今だ! 薔薇乃一閃!」
「ぐはぁっ!」
見事、イリスの魔法に因る弱体化からの翼を使って加速し、フェンシングの決めの一突きの様な技を止めとして放って、イリスが勝利した。
「やったな、イリス!」
「ボク、勝ったよ。」
「ああ。」
俺は勝利に喜ぶイリスの頭を撫でた。
イリスと戦った「土鬼」は、角だけ残し、その角は鬼達の後ろにある社に吸い込まれていった。
「見事な勝利だ。次は、金鬼だ。」
「なら、こっちからは、ミヤだ。 頑張れ、ミヤ!」
「セツナはん。見ててや!」
「ミヤなら、勝てる!」
「ほな、行ってくるで!」
「用意は良いな?……始め!」
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