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鬼のダンジョン。

情報収集の結果は?

「じゃあ、レイカと璃音以外の話を聞こうか。」

「セツナ様、報告します。私達は、冒険者ギルドでの情報収集をしたのですが、どうやら途中から完全に頓挫(とんざ)、つまり、攻略が止まっているようです。

 そして、現在の最深部が、8ヶ所の進路が有り、どの進路も、進んだ冒険者が帰って来たという記録が無いそうです。」

「刹那兄さん、多分だけど、これが『はちもん』だと思うよ。」

「そうだよなぁ。でも、不自然だよな。」

「何処が?」

「このダンジョン。基本的にはどんな形、つまり『転生』とか『転移』や『召喚』であれ、日本人の知識前提だろ?」

「そうね。そんなの確かに『不自然』よね。」

(アテンションプリーズ。)

(このタイミングで出たという事はダンジョン絡みだな。)

(イエス。)

(どんな事だ?)

(調べた所、偶然だったみたい。)

(どういう事だ?)

(最初はあのダンジョンは、鬼人族用のダンジョンだったのよね。そして、いつの間にか忘れ去られて今に至るだけど、300年前に当時の最下層に、日本人用の追加ダンジョンを設置したんだけど、100年前に偶然に解いて追加ダンジョンを解放しちゃったのよね。

 それ以降、そのまま放置で日本人の知識前提な為、攻略不可能なダンジョンの出来上がり。)

(……)

(だから、追加ダンジョンの最下層に、ダンジョン・コアが有るから、マスターになって修復をお願いね。)

(天上の方、貴方達の仕事1割を創造神エルドロード様に3ヶ月間、委譲してください。)

(承知しました。)

(だからぁ、私はぁ、ソウゾウシンだよぉ。)


「さて、聞いたな。正直な話、例え創造神エルドロード様のお願いとはいえ、他人の尻拭いは嫌だが、やらないといけない。」

「刹那兄さん。私も同意見だけど、やらないといけないわ。」

「そうだな。皆、良いか?」

「はい。」×8

「それじゃあ、他に無いか?」

「有るよー。」

「どんな?」

「ダンジョンとは関係無いかもしれんのじゃがな。200年前に黒髪黒目の冒険者が当時、最強の名を欲しいままにしていた鬼人族の女性と夫婦になり、何処かの土地を開拓して長の座に着いたという記録が残っていたのじゃ。」

「……」

「もしかして、その子孫がアタイか?」

「その可能性は有るかもな。つまり、レイカにダンジョン攻略の『鍵』を手に入れた理由は、レイカが『鬼人族』だというだけでなく、『日本人』の血を引いている可能性が有るからか!」

「アタイ、セツナさの前世の同じ民族と同じ血を引いているだ?」

「まあ、0では無いな。じゃあ、いよいよ、レイカ達の番だな。」

「やっぱり怪しいお爺さんに言われただ。」

「どんな内容だ?」

「確か、『きゅうもんのさき、いつつのつのをささげよ』だっただ。」

「璃音?」

「うん。私も聞いた。間違えて無いよ。」

「整理すると、ダンジョン最下層に8つの進路が有るが全て偽物で冒険者が死亡する罠が存在している。

 先に進む為には、隠された9個目の進路を探し出す必要がある。更に、先を進むと5個の『角』を獲得しないといけないという事だな。」

「そうね。刹那兄さん、『いつつのつの』という事は?」

「ああ。『前鬼』と『後鬼』の子供だろうな。」

「つまり、倒したら手に入るか、力を認めさせるかで、手に入るという事よね。」

「そうだな。残念ながら俺の方では有益な情報は無かった。集めた情報の整理が出来た所で、お待ちかねのダンジョン攻略に行くか!」

「はい。」×9



 特に問題なく、このダンジョンの攻略は進み、通常の最下層に到達した。

 別に気を付けて進行する必要は無かったな。

 元々が(脳筋な)鬼人族用のダンジョンだから、注意が必要な罠も無く、階層が進めば、出てくるゴブリンやオーガが強くなっている事以外は特筆する内容は無かったよ。


「セツナさ、何故か、今、誰かに馬鹿にされた気分になっただ!」

「それは気のせいだ。」

「……そうか。」

「さて、此処が最初の問題点だな。」

「そうであります。」

「セレン。頑張るのは良い事だが、無理をするなよ。」

「……はいであります。」

「ふむ。追加ダンジョンの解放条件が『九印』、正確には『九字護身法(くじごしんぼう)』の完成か。」

「確かに、『はめ込み式』、これだと偶然に完成する可能性は有るわね。」

「どういう事じゃ?」

「ダンジョン故か、此処にハズレが風化せずに残っているだろ。」

「これの事じゃな。」

「そうだ。とりあえず、此処のはダンジョン・マスターになってから考えよう。皆、先に進むぞ!」

「はい。」×9



 段々と和風テイストな衣装のオーガが増えているな。

 そんなオーガを倒しながら、問題の場所に到達した。


「此処がこのダンジョンの公式最下層の到着地だな。」

「本当に8つの進路が有るのだね。ボクが知らずに来ていたら、勘に任せて、どれかの進路を進んでいたかも……」

「そうだな。知らなければ、そうなるな。でもな、この追加ダンジョンは日本人の知識が必要なんだ。それを確認する為の先程の『九印』なんだ。アレを見て、この光景を見れば、大抵の日本人は警戒する。」

「そうだね。これを見れば、大抵の日本人は戻って情報を洗い直すと思うよ。」

「まあ、『九印』が無ければ、日本人と言えども、失敗するだろうな。普通の8択と思って。」

「そうね。あの『九印』が有る事で、この8択が『普通』ではないという証明になるわ。」

「さて、9番目の進路を探すか。」

「はい。」×9





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