小国ムルシーアへ。
何が有るかな?
「止まれ! 男だけ装備品と金を置いて立ち去れば、命だけは見逃してやる!」
「セツナ様。この様な状況になると、あの者達が哀れでなりません。」
「そうだな。」
「どうした? 早くしろ!」
「セツナ君。どうする?」
「とりあえず、生け捕りにして、アジトを吐かせよう。犠牲者が居ないかだけ確認して、終わったら本人達は来世に旅立って貰おう。」
「もう良い。死ね!」
結論から言えば、アジトに囚われている犠牲者は居なかった為、所持金と換金可能な装備品は回収して、後は、来世への片道切符を渡して終わった。
さて、今日泊まる予定の町に到着した俺達は、宿を取り、町を4組に別れて散策序でに情報収集する事にした。
いやぁ、こういう時にしか「1人」になる事が無いから、何か新鮮だな。
そう!
4組に分けるという事は、俺が単独行動をする事を意味する。
まあ、特に深い意味は無い。
1(俺)+3×3になるだけ。
そんな訳で町を散策している訳だけど、結構、果物系が多いな。
皆も買って来るだろうけど、俺の方でも買っておくかな。序でに情報収集だな。
「おばちゃん、今日のオススメは?」
「おや、見ない顔だね。」
「今日、着いたばかりなんだ。」
「そうかい。今日なら、このマインゴがオススメだよ。」
「へえ。美味しそうだな。1つ幾ら?」
「1つが銅貨5枚だよ。」
「なら、20個買うよ。」
「持てるのかい?」
「マジックバッグが有るから大丈夫だよ。」
「そうかい。なら、大銀貨10枚だよ。」
「はい。大銀貨10枚。」
「確かに。」
「所で、おばちゃん。」
「何だい?」
「何か、面白い話とか無い?」
「そうだねぇ。……そういえば、この町の近くに有るけど、何故か『ゴブリン』系と『オーガ』系しか、出ないダンジョンが有って、最近はそのダンジョンの難易度が上がっているらしいよ。」
「珍しいね。その2種類しか出ないダンジョンなんて。
もう、誰か攻略したの?」
「いや、まだ誰も攻略していない筈だよ。」
「おばちゃん。面白い話、ありがとう。」
「そうかい。また買いにおいで。」
ふ~ん。「ゴブリン」系と「オーガ」系ね。
近くに「鬼人族」の町が有る場所でのダンジョンか。
これはアタリかな。
この後も、色々と買い物をしながら、情報収集に勤しんだ。
宿に帰り、夕食を済ました後、部屋で今日の情報収集の結果を話し合った。
しかし、ミヤだけはご機嫌斜めだ。
実は、夕食はこの宿の食堂で取っていたのだが、外から食事に来た冒険者パーティーに、ミヤがお子様扱いを受けて、一悶着有ったからだ。
今は、俺を椅子代わりにして座り、俺がミヤの頭をナデナデして、何とか機嫌を直している最中だ。
「さて、皆の仕入れた情報は俺も聞いた。ゴブリン系とオーガ系しか、出ないダンジョン。皆はどう思う?」
「セツナ様。特に旨みが無い様に思われます。」
「リーナは?」
「同意見だよ。シャオは?」
「妾もじゃ。」
「そうだろうな。でも、璃音はどうだ?」
「う~ん。私も特には。」
「あれ? 珍しいな。璃音が気付かないなんて。」
「どういう事?」
「ゴブリンやオーガを漢字にしたら、どう書く?」
「……あ!?」
「そうだ。『鬼』関係は『酒呑童子』だけではない。」
「そうだわ。『酒呑童子』程じゃあ無いけど、まだ有るわ。」
「どういう事ー?」
「ラン。俺達の前世では確かに『酒呑童子』の物語は有名だけど、他にもまだ有るんだ。今、話に出たダンジョンは、その可能性が高いんだ。」
「なら、セツナはん。勿論……」
「勿論。皆、行こう!」
「はい。」×9
「そういえば、セツナさ。」
「何、レイカ?」
「怪しいお爺さんが居て、アタイに変な事を言って来たんだ。」
「何て、言われたんだ?」
「え~と、『はちもんすべてまやかし、きゅうもんめをさがせ』だっただ!」
「刹那兄さん!?」
「ああ。でかした、レイカ!」
「え、何か分かんないけど、セツナさの役に立てたなら嬉しいだ。」
「役に立つ所か、ダンジョン攻略の『鍵』だと思う。」
「そうか。やっただ!」
「他の皆は何か聞いたか?」
「いいえ。私は聞いておりません。」
リンとレイカ以外の皆に聞いても首を横に振った。
「多分、レイカが『鬼人族』だからだろうな。」
「そうね。」
「セツナ。」
「何、シャオ。」
「そのダンジョンに近い町という意味では、同程度に近い町がもう1つ有るのじゃ。」
「そうか。なら、そっちの方の町でも情報収集をした方が良いな。なら、そうしよう。特にレイカに頑張って欲しい。多分、レイカというよりかは、『鬼人族』が切っ掛けで手に入る可能性が高いからな。」
「分かっただ。アタイ、頑張るだ!」
「ああ。期待しているよ、レイカ。」
「それじゃ、もう良い時間だ。明日に備えて寝よう。」
「はい。」×9
翌日
宿の店主に目的の町の位置を聞いて、出発した。
約1時間程で到着した俺達は、また4組に別れて情報収集した。
ただ、今回はレイカと璃音を同じ組にした。
これで、収集漏れは無いだろう。
昼食時に皆が集まり、食べ終わった後に、情報交換した。
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