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父親との邂逅と、違和感。

運命の邂逅だが。


いつもより、ちょっと長いです。

 


 俺はクオンと話し合い、互いの時間的隙間を埋めていった。


 どうやら、俺の出産時に居なかったのは、単純に立ち会いを禁じられたらしい。

 その上で、クオンには何も告げずに「さようなら」となった。

 何も知らずに置いてけぼりを食らったクオンは必死に探したが見つからず、そこから、ショックから国に伝えずに、母さんを探す放浪の旅を始めた様だ。


 そうして、先程聞いた通り、最終的には此処のダンジョン・マスターになって、国に伝えずのんびり過ごして居た。


 俺は今、母さんが何処に居るかを伝える事を保留にした。

 何故なら、母さんの反応と「主の使い」との温度差を感じたからだ。


 俺とクオンとの話し合いが一段落した所で、俺とリーナが交代。

 リーナは、突然、行方不明になったクオンをかなり心配していた様で、キツく問い詰めている。


 クオンが助けを求める視線を此方に向けたが、俺だけで無く、全員が一斉に視線を反らした。


 誰だって導火線に火が着いた爆弾、しかも、触れても爆発する爆弾に近付く馬鹿は居ない。


 ミチヌシにお茶とお菓子、正確には緑茶と和菓子を頂きながら、リーナの沸点が収まるのを待った。


 叩けば埃が出るでは無いが、日本家屋に、靴を脱ぐ、障子に、緑茶に和菓子。

 リーナの叔父という事は、オウカの王族。

「日本」という情報に触れる事が無い立場の筈だ。

 仮に、古い文献とやらに、どれ程の情報が載っていたとしても、詳し過ぎるし、不可能に近い。


 それに、何よりも、侍女の立場の様なこのオートマタの名を「ミチヌシ」にした事もそうだ。

 古い文献に幾ら情報が載っていようとも、「ミチヌシ」という名が載るのは違和感処か、不自然極まり無い!


 間違い無く、最低でも、「日本」を識る転生者。

 だが、あの重厚にして凛とした威圧と佇まい、恐らくは……。


 どうやら、リーナの沸点が収まった様だな。


「リオンを残して全員、席を外してくれないか?」

「……セツナ様。承知しました。」


 リンが頷いた事で、リオンを残して、全員が席を外してくれた。


「刹那兄さん。何故、私は残したの?」

「『日本』を知っていて、その上で、第3者的な意見が必要になるかもしれないから。」

「分かったわ。」

「セツナ。場を改めてどんな話を?」

「クオン。『貴方』は『誰』ですか?」

「おいおい。私はリーナの叔父で、君の父親だよ。」

「いえ、『器』では無く、『魂』の事です。」

「……、理由を聞こうか?」


 クオンから来る威圧が、桁違いに増して重く冷たくなった。

 俺は璃音の前に移動して、話し始める。


「幾ら古い文献でも、再現が不可能な『日本家屋』と、侍女の『名前』です。」

「続けよ。」

「まあ、『靴を脱ぐ』までは、古い文献に載っていても可笑しく無いが、日本家屋と庭園の完成度は、古い文献からでは、再現が不可能です。」

「……」

「更に、決定的なのが、侍女代わりのオートマタの名を『ミチヌシ』にしている事です。この『ミチヌシ』は、余程特殊な条件でなければ、文献に載る訳が無い。」

「……。」

「返答は如何に?」

「……私の負けだ。」

「では、改めて問う。貴方は『誰』だ?」

「私の名は『オオモノヌシ』だ。ミチヌシの意味を識るのなら、この名の意味が分かろう?」

「なっ!?」

「とは言え、『日本』では無く、この世界で創られた上位神の1柱に過ぎないがな。」

「え!?」

「上位神とはいえ、後から追加で創られた為に、役目や仕事が無くてな。暇をもて余していた。だから、人の生活に興味を持ったのが、切っ掛けだな。」

「何故、母さんを見つける事が出来無かったんですか?」

「上位神と言っても、神としての力は殆んど使えない。また、そうしないと、人として、この世界に居られないからな。」

「分かりました。では、母さんに会いたいですか?」

「分かりきった事を聞くな。会いたいに決まっている。」

「ちょっと気になる事が有る。それが分かり次第に母さんに確認してくる。」

「分かった。それで構わない。私からも聞こう。セツナ、君は『誰』だ?」

「俺とリオンは日本からの転生者です。」

「そうか。だから、障子の開け方や、ミチヌシまで知っていたのだな。」

「そういう事です。」

(ちょっと、創造神エルドロード様にお灸を据えないといけないかな。)

「どうした? 急に黙って。」

「ちょっと考え事です。」

「分かった。」

(天上の方。)

(はい。お呼びでしょうか?)

(創造神エルドロード様のお小遣いとおやつを明日から1ヶ月3割減でお願いします。)

(承知しました。)

(ちょっと待ってよ~。何故、従うの? 何故、3割減なの~?)

(事後承諾でしょうが、暴走し過ぎです。)

(ええ~!?)

(後、何故、創造神様だけでは無く、それ以外の存在と念話が出来るのですか?)

(それは、創造神様の暴走が原因です。)

(つまり?)

(創造神様が暴走した場合は、それを知っている存在が貴方で有る可能性が高いからですね。)

(ああ。創造神様とは念話友達だからですね。)

(そうです。だから、私とも繋がる様にしてあります。)

(分かりました。創造神エルドロード様が暴走した場合は、ご連絡します。)

(お願いします。)

(私の人権は~?)

((暴走した場合は無い!))

(ええ~!?)


「おい! 今の念話は、『誰』としたんだ?」

「創造神エルドロード様。」

「へ!?」

「創造神エルドロード様とは、俺のスキルを相談した仲で、後、今では念話友達。」

「なっ!?」

「まあ、そんな事よりも、」

「創造神エルドロード様が『そんな事』?」

「問題無い。」

「問題無い。って、」

「まあまあ。」

「分かった、分かった。話を進めてくれ。」

「クオンの正体を何処まで話して良いですか?」

「出来れば黙ってて欲しい。」

「分かりました。リオンもそれで良いか?」

「うん。セツナがそれで良いなら、構わないよ。」

「感謝する。」

「次は真面目な話ですが、創造神エルドロード様から、この地に異変が有ると聞いて、このダンジョンにたどり着いたけど、何か知っていますか?」

「ああ。実は、ダンジョンとしては、このコア・ルームが最下層だが、更にこの下に地下空洞が存在する。恐らくはソレだろうな。」

「『ソレ』が何か解りますか?」

「解らないな。」

「……そうですか。」

「ただ、最近は妙な揺めきを感じる。」

「なら、行くしかないですね。」

「ならば、道を造ろう。」

「早速、行きます。リオン。皆を呼んで来てくれ。」

「分かったわ。」



「皆、聞いて欲しい。どうやら、創造神様が言っていた『異変』は、この下の地下空洞に有るらしい。」

「分かりました。セツナ様に付いて行きます。」

「私達も!」×7

「刹那兄さん。『オオモノヌシ』が居る場所に有る『異変』って、何か『神話』染みてない?」

「そうだな。場合に因ってはかなりキツい『イベント』が発生するかもな。」


 俺達は、準備を整え、クオンが造った道を通って地下空洞に到着した。

 この地下空洞は、かなり馬鹿げた大きさだった。

 俗にいう東○ド○ム何個分ってやつだ!

 高さだけでも、ざっと3個分はあろうかという状態だ。

 広さも2桁は有るんじゃないか?


 俺達は、暫く歩いていると、多分地下空洞の中心部に当たる所に、1つの神社風の家屋がぽつんと有る。


 近付いてみると、家屋の中に奉る様に置いてある、朱紐で結ばれた漆塗りの箱が有った。

 大体の大きさは片辺30㎝も無い。


 警戒しながらも見ていると、突然揺れ出し、家屋が倒壊して、箱だけが、残った。


 箱の朱紐が千切れ、蓋が勝手に浮き上がり、中に何が入っていたかが判る。


 黒一色で光る赤い目の普通の大きさの「蛇」だった。


 蛇の赤い目が、光った瞬間、俺達は吹き飛ばされた。


 そして、俺達は居た場所を見ると、そこには、今まで出会った全ての魔物よりもデカい「蛇」だった!




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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