《死神の墓地》:Prolog
「こ、これは……迷宮罠!?」
俺達が三体のハイ・アーマースケルトンとの戦闘中に起こったことは俺にそう認識させた。
《迷宮罠》
C級以上の迷宮に稀に出現し、別の階層へ飛ばされる。迷宮のランクが高いほど出現率が高くなる。基本的に下の階層へ飛ばされる。
「何階層に飛ばされるんだ?」
「分からない!」
「ぅぅぅ……はっ!ここどこ?」
お前……今までビビってたのかよ……なんか静かだとは感じてたけど!
「迷宮罠だ!着地に気を付けろ!」
「う、うん!分かった!」
碧も状況を理解したようで、こくりと頷いた。
俺達は落ちていく……
◆
《?????》入口
そして俺達は地面へ着地した。
「うっ、どこだよぉ、ここ。」
碧がそんな呻き声をあげる。
そちらを見たら碧が尻もちを着いていた。
おい、備えとけって言ったろ。うん!って言ってたろ。
「それにしても、どこだ?ここ。」
「うーん、見たことないとこだねぇ。」
俺は周りを見回すが、周りは真っ暗で落ちると二度と帰って来れないように感じられる闇だ。
「あっ、正面になんかあるよ!」
「ん?ほんとだ!……んーと?」
そこには古代文字なのか、かなり難解な文字が書かれてあるのだが……
「えっと、《死神の墓地》?って書いてある?」
碧があっさりと読んだ。
「あ、碧……これ、読めるのか!?」
「うっそー、碧はこれ読めるんだ〜。」
俺とリイアはこの文字を読めた碧に驚いたのだが、
「あ、うん。」
碧はあっけらかんとそう答えた。
こういう何もない所だとお前は能天気だよなぁ。
「《死神の墓地》かぁー、リイアと碧は聞いた事あるのか?」
俺は二人にそう聞くが二人は知らないようで、首を横へ振る。
「し、《死神の墓地》かぁ……《死者の洞窟》より怖そうだなぁ……」
碧は名前に怖がっている、じゃあ読むなよ。
「まぁ、ここにいても埒が明かないし、入るぞ。」
俺がそう言って《死神の墓地》の内部へ向かおうとすると、急に後ろへ引かれた。
よく見ると、碧が俺の服の裾を引いている。
「おい、邪魔だ……離れろ…………っ!」
よく見ると、碧の目には涙が見えた。
「い、いかないで……」
それに、震えていた。
「え、えぇー。ど、どうしたんだよぉ……」
こうなると俺も弱腰になってしまう。
俺、女子を泣かせたことってあまりないからこういうのわかんねぇんだよなぁ……
頼みのリイアは……おい、何故そっぽを向く。
ん?お前が泣かしたんだろって?……分かったよ……
「お、おい、ど、どうして泣いてんだ?」
「わ、分からないけど……怖いの……」
「怖い?」
「ぅん……安曇が、いなくなるかも……」
碧は震えながらそう言う。
う、うーん、そんなこと言われるとはなぁ……
「えぇ……お、俺はい、いなくならねぇよ。」
う、うわぁ、ハズカシィィィィ!
なんかカッコつけた事言っちまったァァァ!
「う……」
うあぁぁぁぁぁぁ!碧も黙っちゃったよぉぉぉぉ!
なんか奥でもリイアが笑ってるし……っておい、笑うなよ!
「はぁ……じゃ、少しだけな。」
「す、少しだけじゃ、駄目。行かない方が、多分、いい。」
碧はそう言うが俺はもう一つの現実に気づいていた。
「いや、そうもいかないみたいだぜ。後ろの闇が、迫ってる。」
そう、後ろから少しずつだが、闇が迫って来ている。
「…………わ、わかったよ……」
そう言って、俺達は微妙な空気で出発した。
はぁ……先が思いやられる……と思ってたんだが……
「やっと見つけた!久しぶり!」
聞き覚えのある声がした。




