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《死神の墓地》:2


「ん?その声は……」


俺が聞き覚えのある声に振り向くと、


「やぁ!女の子を泣かせたアズくん!」


快活な笑顔を浮かべた波瑠川がいた。


波瑠川瑞樹(はるかわみずき)

「銀剣」のメンバーの一人。

安曇達の学校の生徒会副会長でもある。

〈召喚士〉であり、パーティの援護、妨害を務める。

ちなみに、ボクっ娘である。

俺をアズくんと呼んでいる。断っても辞めてくれないんだよなぁ……


プレイヤーネーム:アクア

理由は波瑠|川(、)|瑞(、)樹



「ふーん、波瑠川達も飛ばされたのか。」


あれから数分、俺達は波瑠川達四人の話を聞いて

いた。


どうやら、波瑠川達もこの世界に飛ばされたらしい。それも俺達と同時刻ぐらいに。



「そうなんだよ!ボク達はネクスティアの街だったよ。」


ネクスティアはビゲインの隣の街だ。


《ネクスティア》

ビゲインの街の隣に位置する街。

脱初心者層が多く生活している。

鍛冶師が多い街でもある。


「へぇー、ってかお前が多く喋ってるせいで他の面子が寂しそうなんだが……」


俺は少し寂しげにしている他の面々に目を向ける。

すると一人があからさまに顔を輝かせる。


「やっと気づいてくれたんですね兄さん!てっきり忘れていたのかと……」


そう言ってその女子は感極まったように目をウルウルさせていた。


「いや、気づいたというか最初から知っていたというか……」


「そうだよ、紅姫(こうき)ちゃん!おひさ〜!」


リイアも明るく挨拶をする。


飯野紅姫(いいのこうき)

「銀剣」のメンバーの一人。

安曇の妹であり、一つ下である。

〈赤魔道士〉であり、前衛も後衛もそつなくこなす。

「剣道部の姫」と呼ばれているとかなんとか。


プレイヤーネーム:スカーレット

理由は紅姫からそれっぽくとった。


「お久です、リイアさん。碧さんも、兄さんも。」


「う、うん。紅姫ちゃん、久しぶり……」


泣いていたことが恥ずかしかったのか、少し赤く腫れた目を隠すように俯きながら言った。


「そして兄さん!」


紅姫が責めるように少し強めに言う。


「は、ハイ!な、なにかな?妹よ……」


その剣幕に(実際大して強いものでもないが)驚いた俺は背筋をピンと伸ばして返事をしたあと、弱腰に聞いた。


「碧さんを泣かせるなんて何をしたんですか!」


「い、いや、別に俺な、なんもしてねぇぞ?なぁリイア?(頼む!頷いてくれ……)」


さっきよりも強い剣幕で詰め寄られた俺は、逃げるようにリイアへ視線を向けた。


「え!安曇が泣かせたの!?」


(なんでそうなるんだよぉぉぉ!)


しかし、リイアは面白がるようにさらに煽るように言った。しかもべーって……コノヤロウ……


「兄さん!」


「だ、だからぁ、なんもしてないって!」


俺は必死に抵抗する。

だって心当たりないんだもん!い、いや本当に。


「む〜……」


紅姫が頬を膨らませてこちらを見る。

あれ?こうして見ると紅姫って意外と可わ……ってなにを考えてるんだ俺は!


すると突然紅姫が頬を染めてクネクネしだした。

な、何があったんだ?


「えへへへへへ……まさか兄さんがそんなことを……って何言ってるんですか兄さん!」


クネクネしていたかと思うと急に俺を叩いた。


「理不尽ッ!」


「ね、ねぇ……闇がすぐそこまできてますよぉ?」


そんなことを俺達がしていると琉輝が困ったようにおずおずと言ってきた。


美都琉輝(みとりゅうき)

「銀剣」のメンバーの一人。

生徒会書記を務める男子。

〈地戦士〉としてパーティの盾役(タンク)をしている。

女子に憧れていてアバターは女の子仕様にした。

所謂ネカマ的なやつで、他のメンバーも受け入れている。


プレイヤーネーム:ルキ

まぁ、分かるよね?「銀剣」のメンバーもプライベートでもそう呼んでいる。呼びやすいし。


「おっと、そうだったな、忘れてた。ありがと、ルキ!」


「う、うん。安曇が喜んでくれるなら……」


琉輝は頬を薄ら染めて俯きながらか細い声で言っていたので、ほぼ聞こえなかった。


「ん?」


「い、いやなんでもない……」


俺が聞き返すと、琉輝は軽く首を振ってそう言った。

うーん……本人がいいって言ってんならまぁいいか。


「さ、行きましょうか。」


冷静な声で瑠璃はそう言った。


阿月瑠璃(あづきるり)

「銀剣」のメンバーの一人。

女の子っぽい名前の男子。真面目風だが、どこか抜けてる感じ。

〈魔弓士〉で遠距離からの狙撃をする。

碧が好きって噂もある。


プレイヤーネーム:アルナ

()(ルナ)

銀剣のメンバーはみんな安直です。


「お前いたのか……!」


俺がいた事に軽く驚いていると、(いやまじで気づかなかった)


「うるさい、行くぞ。」


少し苛立った様子で言い返してきた。

あれか、あいつも俺が碧を泣かせたと思ってんのか。


碧が未だに裾をしっかり掴んでいることに気づかずにいる安曇であった。

しかも碧は少し赤くなっている。


俺は銀剣のメンバーが揃った事に力強さを感じながらやっと入口に踏み入った。

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