クエスト攻略
◆
《フォズムの沼地》
「うわっ、毒々しっ。薄紫って話はどこいったのよ。」
碧が悪態をつく。
まあ仕方ないと思う。
依頼書には薄紫の土って書いてあったのに辺りを見回すと一面濃い紫の沼地が広がってんだから。
「これは、ギルドの方で情報の修正を入れるべきレベルだろ。」
もしかしたらこの世界での薄紫ってのが濃い紫を指していたりするのかもしれないけど。
言葉が通じてる時点で驚くべきなんだから。
でもさすがにないかな……うん、ないか。
「早速来たよ!スライム!」
リイアが報告をする。
そっちを見ると、薄い半透明の紫の……なんて言うんだろう。球体?楕円?
まぁそんな感じのモンスターがいた。
「碧、魔法を!」
このパーティの魔法使いである碧に呼びかける。
スライム系は大抵物理耐性持ちだからな。
「任せて!『ウィンドアロゥ』!」
碧がそう叫んだ瞬間に碧の「トレントの杖」の先から見えずらい風の矢が生成され、放たれる。
「!!」
風の矢が当たったスライムは伸びたかと思うと光になって霧散した。
「よしっ!まずは一体!」
ベノムスライムの討伐を証明する「ベノムスライムジェリー」という何故か試験管に既に詰まっている紫の液体を試験管ごと回収した。
依頼は12個だ。
「よいっ、しょっ!」
リイアが「大太刀」を振り下ろして1匹。
「はぁぁぁぁ!『ウィンドアロゥ』!」
碧が風の矢を放って1匹。
「ふっ!そしてぇ…やぁ!」
俺が「麻痺針」を投擲して動きを止め、「シャープ・エッジ」で一閃して1匹。
なんだって?俺だけ地味?分かってるよ!でも攻撃力が足りないんだよ!
でも残りは5個だ、あと少し。
「おい!あと少しだ!」
「わ、分かってるっての!『ファイア・ボール』!」
さっきまでとは違う呪文名に気づくのは少し時間がかかった。
「……今、なんて?」
「えーっと、ファイア・ボール!って言ってましたね。」
「これで一掃でしょ!」
ベノムスライムの特徴
・相手を弱らせる毒霧を吐く。
・物理耐性持ち
・|体の一部が引火性の毒で構成されている《、、、、、、、、、、、、、、、、、、》
「おい!馬鹿野郎!何してんだよ!」
「だって、目の前に大群がいたらつい……ってなんで怒んのよ!」
あの馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!
「あのな、ベノムスライムには引火性の毒で構成されてる部分があんだよ!」
「あっ……………………てへっ☆」
碧の唱えた魔法が着弾し、炸裂した。
ドッゴォォォォォォン!!
そして、大爆発を起こした。
「うっ…………ぐはっ!」
俺は宙に飛んだ後に背中から地面に打ちつけた。
一瞬呼吸が出来なくなったがすぐに復帰して辺りを見回した。
丁度リイアも起き上がったようで二人で辺りを見回していた。
一言。
「「これは酷い(です)。」」
ちなみに碧は事前に気づいた俺達のようにある程度離れていたわけではなかったのでモロに食らって、大爆発で出来たクレーターの少し手前で煤だらけになっていた。
クレーターの中には紫の液体の入った試験管が1,2,3...全部で9個あった。
クエストクリア…
「うっ、ゲホッゲホッゲホッ、ぅぅぅ先に言ってよぉ。」
碧が涙目で言っていたが俺は自業自得だと思う。
あいつじゃあなんで最初にウィンドアロゥしか使わなかったんだよ。
「ぅぅぅ、帰るぅ」
俺はそんなことを言われても動じない。
「さ、碧、ポーション飲んだら《死者の洞窟》行くぞ。」
「鬼畜男ぉぉぉぉお!!」
◆
《死者の洞窟》入口
ポーションを飲んで体力を回復させた俺達は今、《死者の洞窟》の入口まで来ていた。
「久しぶりに見たなぁ。でもリアルの方がすげぇ圧倒感。」
「そぉだねぇ、私も安曇に着いてってよく来てたけどリアルの方がやっぱ存在感すごいねぇ。」
俺とリイアが入口の骸骨と骨の意匠に感動している中碧は…
「ねーえー、少しだよね?上層で素材集めてすぐ帰るんだよね?観光とか始めないよね?」
ホラー系の苦手な碧はしきりに俺達に確認をしていた。
観光ってなんだよ。
確かに入口の意匠には感動したけど、モンスターのうじゃうじゃいる中で観光なんてやってられねぇだろ。
「じゃ、行くか!」
「おー!」
「 (ブツブツ)」
俺達は久しぶりのダンジョンへ足を踏み入れた。




