星58 たらしの口説き文句
ツヴァイは立ち上がって、ステラと目線をあわせた。
その視線は真剣なもので、思わず……。
ステラ「いつまで手を?」
らしくないと思いながら、ステラは話をそらした。
ツヴァイ「さてな」
その瞬間、ツヴァイが通常営業にもどったのを感じる。
意地悪そうな笑みを一瞬、浮かべた。
ツヴァイ「ステラード、お前を愛してる。俺の全てをお前に捧げる。だから俺と共に生きてくる」
ステラ「っっ!」
いきなり!!
ステラは色々と余裕がなくなった、なので全力で後退する。
身を引こうとするんのだが、手を取られているので逃げられない。
背中が壁に当たって痛くなるがすぐにどうでもよくなる。
この人どこに本気出してるのよ!
色んな意味で突っ込みたかった。
それで、終わりかと思ったが、ツヴァイはそこにまた畳みかけていた。
壁に手をついて、耳元でささやき。
どこかでニオが「おおーっ」とか言っているが、意味が頭に入ってこない。ステラは死にそうだ。
これはまずい。死ぬほどまずい。
ときめきはない。ないのだが。
恋とか愛とかいう、女子達に言われる様な甘酸っぱい感じの感情は湧いてこないのだが。
死ぬほどこの状況が恥ずかしかった。
拷問だった。
何か色々まずい。
ツヴァイ「逃げるなよ。俺のこの手は、腕は、足は、命は全部お前の為にあるんだ。お前はずっと俺の腕の中にいればいい」
ステラ「ぁ、ぁ、……あわわわ」
もういいから、許してください。死なせて。ごめんなさい。
偽物でも何でも、生まれて初めて男性に告白されているという状況にステラの脳みそは、思考停止に陥ってしまった。
ツヴァイ「はぁ、……こんな具合か。手紙で怒られるもんだから、直接口であいつに言ってやったのに平手打ちくらったもんだが。どうだお子様共、参考になったか?」
だめだ。
先生が何を言ってるのかさっぱり分からない。
そういうの、好きな人にしかやっちゃ駄目だと思う。
ステラもそういうのは、そういう感じの人の方が良いと思うし。
だから、ほら。
遊び半分でやられた事への怒りと、衆目の目にさらされた恥ずかしさ。
ついでにお子様扱いされて遊ばれた事の憤慨が黙っていない。
ステラ「――――っ!」
ツヴァイ「うぉ、あぶね。おい……」
先生の他の面は、たらし。
ステラは脱兎のごとくその場から逃げ出した。
結論。
何の疑問に対してのか、分からないがとにかく結論。
先生はなんというか良い所もあるけど、やっぱり駄目な大人だった。




