星48 遺物探査
そんな風にしながら呪いに対する対抗策を考えるのと並行して、二年の課題の締め切り時期が迫っていた。
季節は冬だ。
これまでいくつかの遺跡にチャレンジしてきたが、そろそろ当たりをひかないと本格的にまずくなってしまう。
ステラ達はその為に、再び遺物収集に挑戦していた。
ニオ「今度はちゃんと遺物が見つかると良いなー。これで十回目だもんね」
ライド「さすがに俺も、何回も遠出するのは疲れるな。剣士ちゃんがいれば幸せなツェルトと違って俺はまともなの」
ツェルト「なんだよ。お前、もうへばってんのかよ。だらしないな」
ライド「はいはいどうとでも言ってね、俺疲れた。悪魔の生徒会長の手伝いもさせられてるし。家でごろごろしてたいわー」
ツェルト「たまに疲れたおっさんみたいなだよな、ライドって」
ニオ「言えてるー」
選定した遺跡は、王都から一週間の位置にある場所。
冬休みを潰して足を延ばした遺跡だ。
転移遺跡という便利な物も世の中にあるのだが、そういう施設の近くにある遺跡は大抵踏破済み。誰も言った事のない遺跡、となると自然と距離が遠くなってしまうのだ。
ステラ達はつまり、冬休みをまるまる潰して課題に挑戦している。
ステラ「私も少し気持ちが分かるわ。これが無駄足に終わっちゃうと、まとまった時間が取れなくなっちゃうもの、今回で終わりにしちゃいたいわよね」
ニオ「ねー。貴重な休みをとられたニオは、もうおこりんぼさんなんだからー」
ツェルト「なんだそれ、ステラ程じゃないけど、かわいい言い方だな」
ライド「ニオちゃんは、へんてこな言葉考えるのホント好きなのね」
ニオ「えっへん」
ライド「いや、今の誉めたかどうか微妙だから」
とりとめのないお喋りをしながらも遺跡の奥へ。
誰も来てい無さそうなところを選び抜いたせいか、埃やら土くれやらが凄い事になっている。
内部に入り込んできた生えた植物なんかもあって、非常にあるきにくい。
奥までくればガーディアンが出迎えるかと思ったのだが、予想に反して生物の気配は感じなかった。
順調な方が良いが、ここまで何もないと逆に不安だ。
ニオ「なんか、スカの予感、えー。ここまで来て何も無かったらどうしよー」
ステラ「まだ分からないわよ。とりあえず、皆で手分けして何かないか探してみましょう」
とりあえず、ここまで来た以上尽くせるだけ、手を尽くすしかない。
早々に諦めそうになっているニオを知ったし、バラバラに分かれて遺物らしきものがないか捜索する。
広い遺跡の隅々まで調べていくのは、結構手間がかかった。