星49 お約束
やがて、何もないままですべてを調べ終えるかもしれないと落胆し始めた頃。
ニオが遺物を見つけてはしゃぐ声を上げた。
ニオ「やったー。やたー、ステラちゃん、ツェルト君、見て見てー。お宝発見だよー」
壁にあった仕掛け扉を発見したらしいニオは、片手で精巧な作りの盃を持っていた。
ライド「おー、良かった良かった。これで二年の課題もクリアだ。さすがニオちゃんだな」
ニオ「えへへ、すごいでしょー。偉いでしょー。どーだ」
ツェルト「すごくはあるけど、偉くはないよな。助かったのは事実だけど。でもなんか拍子抜けじゃね?」
得意げそうなニオは間違いなく功労者だろうが、確かにツェルトの言う通りだった。
今までの事を考えればあっさり行き過ぎていて、それが少し不穏だった。
ツェルト「お宝にありつく前に何もなくて、あっさり発見ってなると、次のパターンを疑わざるを得なくなるよな」
ニオ「次のパターンってー?」
ニオが疑問の声を上げた時、その言葉を待っていましたといわんばかりに奥で何かが作動する音がした。
重々しい音を立てながら、壁だと思っていた扉が両脇にスライドしていく。
そこにあったのは、大きな岩だ。
ニオ「え、まっさかー。嘘でしょー!」
おそらくステラ達もニオと同じ事を想像していた。
転がる。あの岩は絶対こっちに転がって来ると。
予想通り、岩は思い体を傾けてこちら側へと移動してこようとしていた。
嘘じゃない。現実だ。
凶悪なガーディアンが出て来られるのも困るが、こっちも困る。
ニオ「うわーん。今日くらい楽にできてもいーじゃん」
ライド「ほらほら、泣き言言ってないで、走るニオちゃん。じゃないとぺちゃんこだぜ」
ニオ「それはやだー」
ツェルト「ステラ、走れなくなったら俺がお姫様だっこして運んでもいい?」
ステラ「助けてくれるのは良いけど、それはちょっと走りづらいんじゃないかしら」
ツェルト「真面目に返された!」
驚いているが、こんな時にふざけていられるツェルトにこちらが少しの驚きだ。
ニオ「やだー。背中になんか来てるー」
ステラ「あ、ちょ……ニオってば背中掴まないで」
ライド「ニオちゃん、暴れないで俺巻き添え食ってる肘あたってる」
ツェルト「ステラ、俺達だけ先に行っちゃわね?」
駄目に決まってるでしょ。
……と、まあそんなこんなで色々あったが、ステラ達は無事にちゃんと生還した。
手に入れた盃もちゃんと過去の遺物だったようで、無事に二年生へと進級を果たしたのだった。




