星28 スカ
密林
そうして、ヨルダンにかけられた呪いの種類も理由も解き方も分からない中。
騎士学校に通うステラ達は、学生らしく課題に取り組む事になった。
密林の中、緑の生い茂る中を縫うように移動していく。
季節は初夏だが、真夏のような蒸し暑さがある。
だが、密林と言う場所柄、長そで長ズボンの着用がかかせないので、地獄の様な体感温度だ。
いつものメンバーで遺跡を探すステラ達だが、汗が止まらない。
草の根から虫の音を聞きながら、口を開く仲間の一人。
ニオ「もー限界。誰ここ選んだ人。ニオ脱ぐ!」
ステラ「お、落ち着いてニオ。ここで肌を晒したら、変な虫に刺されちゃうわよ」
騒ぎ出したニオをなだめようとするのもこれで何度目だろう。
ちなみに場所を選んだのはニオだ。
理由は近いから。
ライド「そこで男子の目があるから、とか言わないあたりが剣士ちゃんだよな。ほらほら、ニオちゃん我慢しなって」
ニオ「うぅー、だってぇ」
ライドの言葉に口を尖らせるニオ。
ものすごく異議ありげだった。
だが、仕方がない。
ここで脱がれてもらっては大変なことになってしまう。
そんな中、ツェルトがステラに何かに期待をよせるような視線を向けてきた。
ツェルト「ニオが騒ぐのはいつもの事だけど、ステラは脱ぎたくならないのか?」
ステラ「なるわよ。でも、そんな事したらだらしないじゃない」
ツェルト「あー、さすがステラって答え。でもそこを何とか!」
ステラ「何で?」
ツェルト「そんなの決まってんじゃん。俺がステラの……。あっ、やっぱダメだ。ここで脱いだら他の野郎がいるから駄目だった」
言ってる事が分からない。
一人で何か言ってるツェルトは放っておこう。
ステラは地図を取り出して周囲を見る。
一見どこもかしこも同じに見えるが、ぐるぐる回っているような事にはなっていなかった。
ステラ「迷ってはいなさそうね。もうそろそろ着く頃だけど」
だがそんな風にして、首を傾げていればいつの間には少し先に行っていたらしいライドが、手を振って来た。
ライド「おーい。どうやらここハズレ」
そして、地面を示す。
視線を落としてステラもそれに気が付いた。
植物で覆われていて分からなかったが、人工物の石の材料な物が転がっていた。
つまり外れだった。
ステラ「とっくに風化しちゃってたみたいね」
ニオ「えーっ。ここまで来たのに!」
ツェルト「うわ、ないわ。さすがに俺もそれはないわ。えーっ」
ライド「やり直しって事ね。さ、帰るか」
栄えある一回目のチャレンジが、水に流れた瞬間だった。




