縁は非日常
「ねぇ‥コレって何か特殊な調理法とか要るの?」
「いえ? 味が付いてるんで焼くだけです。」
「そっか…………コレ日持ちはする?」
あらっ? またトイヴォネンさんが商売人の目になった。
「まぁ‥‥冷やせば。 生肉よりは多少‥‥」
「そっかぁ……冷やさなきゃならないのかぁ‥‥‥」
「あの~‥よかったら氷に詰めますよ?」
「……え?まだ雪残ってるの?」
「え~とまぁ‥‥雪室には有りますけど‥そっちじゃなくって、魔法で氷作りますんで‥‥」
「………魔法ってそんな事までできるの‥‥?」
「この間、氷の菓子 食ったろう」
「あぁそうだったね… そんなの使えたら便利だろうなぁ‥‥」
「お前なら使えるんじゃないか?」
‥‥‥ん?
「トイヴォネンさんも 魔法使えるんですか?」
「あぁ 言って無かったか。 こいつとは、大公国の二次 三次侵攻を一緒に戦った仲だぞ。」
え‥‥? 二次 三次?
「大公国って そんなに攻めて来てたんだ‥‥」
「あぁ‥‥ 三次は お前がここに連れて来られる一年くらい前だったかな…… 退役軍人の徴用で引っ張り出されてな‥‥‥
一次は 流石に俺らも生まれる前だ」
へぇ~…… て事は、二次は前に聞いたアレかぁ‥‥
「まぁ、仕事が仕事だから 最初は輸送隊に配属される話だったんだけどね。 兵役検査で魔法が使えるって分かった途端、魔法部隊に放り込まれてねぇ‥‥」
「へぇ…… そりゃあ‥‥きっついですねぇ‥‥‥」
「ホントだよ‥‥ それまで魔法なんかに 縁もゆかりも無かったのに‥‥」
「まぁ 覚えが早かったからよかったよな。」
「じゃなかったら死んでたよ。」
うわぁ~‥いやはや何と言うか………
「───ところで瓶の大きさって、どれ位がいいですか?」
重たいお話にちょっと一区切りついたところで、
氷で冷やして持ってくなら 扱い易いサイズとかあるかな?と思って、空瓶を何個か持って来た。
「う~ん‥じゃあ真ん中位の大きさがいいかな。」
「分かりました~ あ痛!」
‥‥‥くそぅ‥‥瓶の口にバリ出てたよ‥‥
指切っちゃった‥‥
「あっ大丈夫!? 薬あるけど使う?」
「いえいえ大丈夫ですよ~~ 魔法で治せますんで~~」
まぁこんな傷、ほっといても大丈夫だろうけど、あんまりトイヴォネンさんに心配掛けるのも悪いんで、瓶を片付けがてらの背中越しに声を掛けた。
「………なぁ‥‥教会に教えに出した‥‥訳じゃないよな‥‥?」
「‥‥孫が独学で編み出したんだよ…… 因みに氷もだ」
「そうなのか…… はぁ~~ホントに凄いなお前の孫‥‥」
「あと あの魔法、二日酔いも一発で治るぞ」
「ホントか俺にも教えてくれ」
「………孫のことは絶対に余所に漏らすなよ」
「分かってるって‥‥‥」




