柔らかいお肉を求めて
「あの~そろそろお肉の方も‥‥」
「あっそうだね。 ところでお皿二枚あるけど何か違うの?」
「えぇちょっと‥生肉があれば良かったんですけど、こーゆーのしか無くって‥‥ えっと、適当にそのソース使ってみてください‥‥」
「あぁ‥うん、そうなの‥‥」
そしてトイヴォネンさんは、恐る々々フォークを伸ばし、マリネソースの方をお肉に掛け……
「……お‥美味しい‥‥ コレ、もっと重たいお肉でも サッパリ食べられそうだね‥‥」
‥‥いよっし!!
「でもこのお肉は そのまま食べても充分美味しいね」
ありゃ‥‥ まぁそーだよねぇ、しっかり味付ちゃってるもん。
正直いっちゃうと、ソースは余計かなぁ~と薄々思ってました……
「このお肉って、どうやって味付けたの?」
‥‥味付け‥‥ 味付け‥‥ねぇ‥‥‥
………え~~~と‥‥‥ 塩麹って‥‥どう説明したらいいんだろ‥‥‥
ちなみに、さっきお肉のこと聞かれたときに 歯切れが悪かったのも、コレが原因‥‥‥
味のポイントは 味醂代わりの甘いプラムワインと、ちょっぴり加えたお酢。塩麹だけだと ちょっと味がポヤンとしちゃうので。
しっかり漬け込んだので お肉はだいぶ柔らかくなりました。
‥‥って イヤイヤそうじゃなくって‥‥どうやって塩麹の説明を‥‥
「──ほれ、冷める前に もう一種類の方も食べたらどうよ」
「おぉ、そうだな」
もぉどうしたもんかと 頭の中がグルグルしちゃってると、じいちゃんからものすっごいありがたい助け船が!
ありがと~~~!!!
そしてトイヴォネンさんは、先ずソース無しで肉の味を見られ……
「……お~こっちも美味しいね~。さっきのお肉より味がドッシリしてるんだ」
よっしゃ! こっちもご好評いただけた!!
「あれ? この味って‥‥」
「あっ解りました? それ味噌に漬け込んでるんです。 そこにちょっと プラムのコンポートを潰して入れて、水飴と、あと少~しカシスワインも」
「へ‥へぇ‥‥ 水飴‥‥」
まぁ、ちょっと小技はきかせてますけどね。
肉の匂いを抑えたいけど、こっちじゃスパイスは お見受けしないから、
ちょっとクローブとかナツメグみたいな重めのスパイスっぽさがある 稗の味噌に、スパイスっぽさを通り越して漢方薬っぽい匂いのする 蕎麦で作った水飴を使ってみました。
流石に全部それじゃあクセが強すぎるから、他の味噌や水飴と 程よくブレンドってところで抑えてますけど。
「‥‥こっちのソースはよりサッパリなんだね。 これならかなり脂っこいお肉でもスッキリ食べられそうだなぁ」
おっ おろしぽん酢ソースの方も、評価は悪くないっぽい。
でも‥‥‥
「でもこのお肉なら、おろしだけで十分ですよね~」
ガッツリ味が付いてるもん、流石にもう塩気は要りませんよねぇ~~
「ぁ‥あはは‥‥ まぁ‥‥ねぇ‥‥」
あっ、やっぱりトイヴォネンさんも同じ意見っぽい。
やっぱり漬け込んでないお肉で試して欲しかったなぁ~
そしてそんなこんなやってるうちに、塩麹のことはうやむやになったっぽい。 よかったよかった。




