二の矢の狙いも的の外
「あと、もう一つお願いがあるんだけど……コレの種って売って貰える?」
そう言ってトイヴォネンさんは、スイスチャードをフォークで示した。
「これも間違いなく売れるよっ!
金持ちと繋がりのあるとこに卸してる農家とか、そもそも畑を持ってる名家とか、‥もしかしたらこの彩りだから、名家の庭を飾ったりとか‥‥」
「‥あっ…えっと‥‥」
「‥あ… やっぱり‥‥駄目?」
「いえいえ!! そーではなくって!!
‥‥ただ~~‥‥‥まだ露地で育てた事ないんで‥‥ 手間がどれだけ掛かるかどうか‥‥」
なんせ、耐寒 耐暑 耐病 耐虫 全てまだ不明。
‥‥まぁ‥‥耐寒は強いだろうけどねぇ……元がビーツだし‥‥‥
「大丈夫、最初はお試しで売るし。それに手間を掛ければ育つんじゃない?」
「まぁそれは‥‥」
そりゃ園芸植物みたいに手間を掛けりゃあだけど。
あっ、ちょっと思い付いた。一旦 台所に引っ込んで仕込みを……
…………………
「こういうのあった方がいいですか?」
「………これは……?」
「漬け物ですー‥‥育ったらこうなりますって見本になるかと思って‥‥」
……この世界に写真はないからねぇ‥‥ 生で持ってったら、街に着く頃には萎れてるだろうし‥‥
因みに葉っぱも紫のやつは、色が出そうなので分けて詰めとります。
トイヴォネンさんは色とりどりのスイスチャードが入った瓶をまじまじと見て…… 一つ仰った。
「……あの‥‥‥何でモリーユも入ってるの‥‥?」
「味を出そうと思って~‥‥」
「………因みにコレ‥‥ 材料は何‥‥?」
「え~と…野菜の他は、その乾燥キノコに‥‥ お水に水飴、お酢に塩と‥隠し味に醤油も少々‥‥ 後は干し肉も味出しに……」
「……水飴まで使ってるの‥‥?」
「あっ‥ハイ…」
「‥‥あのね? ……もう‥‥これは立派な高級品だと思うんだよね‥‥」
「‥え? ‥‥え~……」
「…見本にするには豪華過ぎるかな‥‥」
………ありゃ
‥‥‥じゃあしょうがない、シンプルなやつも作りましょ。
え~と‥‥ お水と梅酢とお塩なら‥‥そこそこ美味しくなるかな?
すみません二話前のお話、フダンソウからブレッタチャードに表現をチェンジしました。
語呂がよかったし、カブも日本語だしこっちもいいかと思ってたんですけど‥‥‥ 流石に違和感が‥‥




