踏み出す勇気 退ける無邪気
ウチの孫は、時々妙なことをする
‥‥しかし今日トウフなるものを 小さな手のひらに乗せ、その手を まな板代わりに切っていたのを見た時は 本当に肝が冷えた‥‥
しかしまぁ‥‥ウチの孫のことだ。何か考えがあったのだろう。
‥‥‥例え怪我をしても、魔法でどうにかするだろうし………
そして今 自分が手にするフォークには、一切れのカブが刺さっている。
口に運ぼうと手元を動かしたそのとき、カブの出所を示した孫の指は……あの壺を差していた………
‥‥‥それはもう反射的に手が止まった‥‥‥
……あぁ……あの麦のカスに埋めてたアレか…… 最近では 何ともいえない匂いを放ち出した、あの壺の中から‥‥‥
……恐る々々 カブの匂いを嗅いでみる‥‥‥ 何と言うか 麦のカス由来だろうか‥‥ 濡れた、落ち葉かオガクズの様な 枯れた香り‥‥
そして穀物っぽい香りも若干‥‥
あれ‥‥? カスを綺麗に落としてあるからか? それほど気になる匂いはしないような…… 後 野菜の匂いが若干強くなっている気がする。
………うん、これなら食べられる‥‥気が‥‥‥
意を決し、再びフォークを動かしたその時
「──ちょっと待ってじいちゃん」
こちらを制止した孫が、何やら魔法を使った様だ‥‥
「……はい、これで旨味が強くなった筈だよ~」
「‥‥旨味?」
孫がまた、聞き慣れない言葉を発した‥‥
その後の説明は、解ったような 解らないようなと言った感じだったが、これだけは解る。
きっとあの壺の中で起こしたかった現象を、魔法で押し進めたのだろう‥‥
そう思うと、再び決心が揺らぎ‥‥ 隣のスープに手が伸びた。
これはわかる。ミソシルだ。そこそこの頻度で作ってくれる。
初めての時は 土でも溶いた様な見た目にたじろいだものだが、
何というか染み渡る様な、体の中から癒される味だった。
そこに今、一拍の休みを求めた‥‥
今日は何だか野菜が多い…… あぁ‥‥そして例の、手のひらの上にあったトウフ‥‥‥ 後これは、あの揚げてたトウフか?
とにかく汁をスプーンで一口‥‥ん? 野菜も食べてみれば‥‥
「何か今日のは 味がしっかりしてるな」
「あっ 鋭い。味噌変えてみたんだ。
あと野菜ね、ソレもあそこから」
孫が、再び壺を指差した‥‥
‥‥なに?‥‥‥気付かず食べた‥‥のか?‥‥しかし‥‥‥
おもむろに、先ほど躊躇ったカブを口に含む‥‥すると
「………かなり美味くなるんだな………」
◆◆◆◆◆◆◆◆
あら!? 糠漬け 意外な高評価!
良かったぁ~~! あそこまで訝しがってたから、ひょっとしたらダメかと思った~~
主に匂いが。
「ところでじいちゃん、ちょっと聞きたいんだけど‥」
「ん、何だ?」
「家に鉋ある?」
「…………は?‥‥」
「鉋。木、削るやつ」
「………家にはないな‥‥」
あちゃ~~無かっ
「買ったらどうだ?」
「………へ??」
「いや、へって‥‥ あれだけ稼いでるんだから、ちょっとくらい使ったらどうだ?」
‥‥‥おぉ~~っ‥と??
未だ これでいいのか悩んでおりますが、副題を変えてみました。う~ん‥‥
*ちょっと短編でメロンのことを書いてみました。
こっちの物語とは何の繋がりもありませんが、ノリはほとんど変わりません。
ほぼ々々 筆者の体験談です。塩辛が活躍します*




