紙風船
孫が、初めての一人散歩から帰ってきたと思ったら、よく分からない草を抱えてきた‥‥
最近、孫の興味があらぬ方へ向いている気がする
魔法への興味が薄くなったのだろうか‥‥何だか寂しい気が…………
…………よし‥‥一つ魔法を披露するか。
大人は背中を見せるのだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆
……………失敗した‥‥
カマド組んでから出掛けりゃよかった‥‥
山菜狩りから帰り、アク抜きしようと台所に向かうと、もう別の鍋が掛かってた。
でっかい鍋も使おうと思っていたので、暖炉裏ではスペースが足りない。
‥‥なので仕方なく、外に石を積んで、絶賛カマド製作中…………
…………帰って疲れてる時にやるもんじゃないな‥‥
四つほど組んで、いざ、火をつけようとしたとき
「おーい、ちょっといいか?」
じいちゃんが声を掛けてきた。
何やら笑みを浮かべながら‥‥
何だろ?こりゃあ面白そうなもんを見せてくれそうな気がするなぁ、ワクワクしてきた。
「ちょっと見ててみ?」
そう言うとじいちゃんは 空中に水を生み出して、
魔法で器を作ったのだろうか、宙にあるそこに 水を注ぎ続け、
そこに空気を吹き込み舞い上げて、
同時に後ろから光を当てた。
お~~、虹が出た~~凄いなあ~~
「…………ってちょっと待って!!四つ同時?!!!」
「ハッハッハ、いやぁ頑張ったぞ」
自分も魔法は同時に使える。‥‥が、いいとこ2つまで。
まさか四つもいっぺんに使えるものとは思わなかったわぁ~
好奇心がガッツリ刺激され、いてもたってもいられない。
早速トライしてみることに
えーと先ずは~水を出し続けて~………
魔法で器を作って………
そこに空気を…………おぉ~~これムッズー!!!!
うっかりすると どれか1つがお留守になりそう!!
そこに後ろから光を………
バシャ!!
…………あ~あ………器が保てんかったぁ~~‥‥‥
さて、もう一丁トライ…………あ~~今度は水が止まった~~………
さあ~もう一回……………今度は空気が~~………
もう一回…………バシャ!!…………
…………ム~~リ~~だ~~~~!!!!
四つ目をやろうとすると集中力が保たん!!!!
ホントどうやってやってんの!!じいちゃんスッゲェなあ!!!!
そんな もだえている様子を、じいちゃんは微笑ましそうに見守っている。
なんとか おどかし返したいなぁ~~ でもどうやって…………
頭を悩ませながら 少し俯くと、鍋に張った水鏡に空が写っていた…………あぁ………雲が浮いてる…………
……………空に浮かんでみよっか‥‥‥
そうだよ、せっかく魔法のある世界に来たんだもん!空の一つも飛んでみないと!!
先ずは魔力で直接持ち上げてみようかな。
よっと‥‥よし、浮いた……………
…………けど重い!!そりゃそうだ!!自分の体重とおんなじ重さを持ち上げてるんだもん、
こりゃムリだ!! もっと魔力鍛えたらいけるかもしんないけど、今はムリだ!!!
こんなんで空飛んだら いつ墜落するかワカラン!!!
クソ~~~なんか別のベクトルを探らないと‥‥
‥‥じいちゃんの笑みが、いつの間にか楽しそうな笑みに変わっていた。
こりゃ元研究者のスイッチが入ったかな?
さて、重力に直接あらがうのは得策じゃないから、次は…………
折り合う方向でいってみますか。
重力を受けると、反対に作用するように体を‥‥‥
いけるかな?
まぁとりあえずやってみましょ。真っ反対にしたら、空にブッ飛んで行きそうだから、先ずは控えめに…………
…………お~~浮いた~~
こりゃあいいや、魔力の消耗も少なそうだ。もうちょっと高くまで飛んでみましょっと。
「ちょっと飛んでくるね~~」
「あっ おい!!」
…………ふわ~っと、立ち上る様に舞い上がってゆき、そよ風にユラリと流される。
なんか気球になった気分‥‥
魔法で壁を作ってポンと蹴り 方向修正しながら上がってゆくと…………遠くに地平線が弧をえがいていた。いい眺めだなあ~~…………
そんな絶景に心を洗われていると、ふわっと、あることが胸に浮かんできた‥‥
‥‥こっちの世界の地球も丸いんだなぁ…………
久しぶりの魔法回。
最近魔法が地味でしたからねぇ………
前話はトリカブトの引き立て役だったし、
[黒い幸せは]じゃあ、とうとう魔法も使わなかったし…………




